バリューアクト・キャピタル・マネジメントが運用するファンドの一つであるバリューアクト・ジャパン・マスター・ファンドは、宝ホールディングス(2531)に対し、社外取締役3人の解任と後任3人の選任を目的とする臨時株主総会の招集を正式に請求した。宝ホールディングスは2026年10月22日に請求書を受領したと発表し、対応方針は決定次第開示するとしている。
バリューアクトの要求内容
10月22日に関東財務局へ提出された大量保有報告書の変更報告書(No.4)で保有目的が変更された。報告義務発生日は2026年10月21日。同報告書によると、バリューアクト・ジャパン・マスター・ファンドは会社法第297条第1項に基づき臨時株主総会の招集を請求し、取締役3人の解任と3人の選任を提案する予定としている。
同報告書には、バリューアクトが意図していない点も記されている。共同提出者5社は、候補者が5社から独立しており、5社自身やその役員・従業員を候補者として提案していないと説明。株主提案が可決されても新任取締役は取締役会の過半数に満たないとしている。また、宝ホールディングスの支配権取得を目指しておらず、同社や関連当事者による自社株買いも求めていないとしている。これらはバリューアクト自身の説明だ。
宝ホールディングスの開示によると、請求者は総株主の議決権の3%以上を6カ月以上保有するバリューアクト・ジャパン・マスター・ファンドで、議題は取締役3人の解任と取締役3人の選任。
保有比率
共同提出者5社の保有株数は3946万4280株で、10月21日時点の発行済株式総数1億9725万2043株に対する保有割合は、直前報告書の19.01%から20.01%となった。報告書の最近60日間の取引状況欄には、8月26日に市場外で90万株を1株2140円で取得したことが記載されている。
| 提出者 | 保有株数 | 保有割合(%) |
|---|---|---|
| バリューアクト・キャピタル・マネジメント・エルピー | 0 | 0.00 |
| バリューアクト・ジャパン・マスター・ファンド・エルピー | 24,600,680 | 12.47 |
| バリューアクト・ストラテジック・マスター・ファンド・スリー・エルピー | 11,769,730 | 5.97 |
| バリューアクト・ストラテジック・グローバル・マスター・ファンド・エルピー | 1,766,670 | 0.90 |
| バリューアクト・ストラテジック・グローバル・パートナーズ・フォー・エルピー | 1,327,200 | 0.67 |
| 合計 | 39,464,280 | 20.01 |
取締役会への批判
宝ホールディングスの開示資料に添付された招集請求書は、取締役会が経営陣の監督を怠ってきたと主張している。バリューアクトによると、2026年3月に終了した中期経営計画はいずれの財務目標も達成できなかった。また、前会計年度の自己資本利益率(ROE)は4.6%まで低下し、経営陣は今年度も5.0%を下回ると見込んでいるほか、バーボン・ウイスキー事業が連結営業利益の60%超を占めているとしている。
バリューアクトはまた、2026年2月に発表された上場子会社タカラバイオに対する公開買付けを取締役会が承認したことについて、企業価値を毀損するものだと批判している。また、夏から秋にかけての対話要請を取締役会が拒否したとしている。これらはバリューアクト側の主張だ。
招集請求の手続きと選任議案の条件
請求書は、到達から8週間以内の臨時株主総会開催を求めている。また、基準日公告、招集通知発出、総会開催の各予定日について、11月6日までに書面で回答するよう宝ホールディングスに求めている。回答がない場合、バリューアクトは招集手続きが遅滞なく行われる見込みがないと判断するとしている。
各選任議案は、解任議案の全部または一部の可決やその他の事由により、宝ホールディングスの定款が定める取締役員数7人に対して欠員が生じることを条件に効力を生じる。承認可決された候補者数が欠員数を上回る場合は、賛成票の多い候補者が就任する。バリューアクトによると、取締役会は引き続き7人で構成され、うち4人が独立社外取締役となる。
候補者は、JSRの元最高経営責任者(CEO)、別の上場企業の取締役を務めるゴルフ場運営会社の元社長、サントリーのスピリッツ事業会社の元グローバル最高財務責任者(CFO)の3人。バリューアクトは、全員が東京証券取引所の独立性基準を満たしているとしている。
変更報告書は、ガバナンスと資本配分戦略が十分に改善されれば、招集請求と株主提案を撤回する可能性があるとしている。宝ホールディングスの開示は総会開催日を定めておらず、請求内容を慎重に検討すると述べるにとどめている。
