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都内の観光補助金は最大3000万円、申請前の専門家承認が条件

東京観光財団は都内の観光事業者が行うデジタル化や新商品開発の事業費の3分の2、最大3000万円を補助するが、事前の専門家診断に基づく計画に限定する。申請は11月30日に締め切る。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月20日3分で読める
小規模なゲストハウスの受付カウンターに、タブレットの予約システムやメモ、銀行の振込控えが手続の順序に沿って並べられたイラスト。

東京観光財団(TCVB)は、東京都内の中小観光事業者を対象に、デジタル化や経営力強化を支援する補助金の今年度第2回募集を開始した。申請期間は2026年10月19日から11月30日まで。ただ手順には条件があり、同財団は事業者が独自に策定した計画は補助対象にならないとしている。

補助対象と金額

補助率は補助対象経費の3分の2で、賃金引上げ計画を策定して達成した場合は4分の3に引き上げられる。上限は3000万円、下限は100万円で、補助金額が100万円未満となる申請は受け付けない。

事業実施期間は2027年3月15日から2029年3月14日までの最長2年間。この期間内に契約、支払、納品が完了した経費のみが対象となり、支払は銀行振込に限られる。

補助対象経費は、デジタルシステムやソフトウェア・クラウド利用費、設備導入費、知的財産権の出願関連費用を含む新商品・サービス開発の外注・委託費の3区分に分かれる。ソフトウェアやクラウド、データの関連費用のみでの申請はできない。専門家のコンサルティング費用、広告宣伝費、成果物の商用化費用、中古品、汎用的な事務機器は対象外となる。

賃上げ要件

補助率の引き上げが適用されるのは、事業終了後の最初の事業年度における給与支給総額が、申請時に提出した直近決算書と比べて2.0%以上増加した場合に限られる。さらに同年度のすべての月において、対象事業を実施する都内事業場の最低賃金が地域別最低賃金を30円以上上回る必要がある。目標を計画通り達成できなかった場合、同財団が補助金の一部の返還を命じることがある。

同財団の例示によると、補助対象経費が1200万円の場合、補助率3分の2では800万円、4分の3では900万円が交付される。上乗せ分の100万円は、賃上げ要件の達成が確認された後に2回目の支払いとして交付される。

事前の専門家診断が必須

申請前に、事業者は同財団が選定した専門家から現状把握、課題抽出、ソリューション検討に関する経営診断を最低3回受ける必要がある。デジタル関連の事業ではさらに2回、計5回の診断が必須となる。その後、専門家が支援証明書を作成し、同証明書に記載のない取組は補助対象とならない。募集要領は、遅くとも募集締切の2カ月前までに専門家派遣を申し込むよう求めており、派遣決定には通常1カ月程度かかるとしている。11月30日の締切に対し、これから手続を始める事業者はすでにこの日程に遅れていることになる。

対象となるのは募集要領が定める中小企業者で、東京都内に登記上の本店または支店を置き、2026年4月1日時点で都内で2年以上の営業実績があることが条件となる。あわせて申請対象の事業を都内で1年以上営んでいる必要がある。対象業種は宿泊業、飲食業、小売業、旅行業など。事業は主に東京を訪れる旅行者向けである必要があり、中核となる企画や仕様は自社で策定しなければならない。

審査は書類審査と面接審査の2段階で行われ、面接にはコンサルタントは同席できない。補助金は事業完了後の検査を経て交付されるため、それまでの費用は事業者が負担する。締切時点で書類に不備がある申請は受理されないため、同財団は期限の1週間から10日前の提出を勧めている。