ラピダス支援:予算措置ではなく要求段階
経済産業相は2026年10月20日の閣議後記者会見で、同省が2027年から2029年までの3年間にわたり、ラピダスに対する政府の産業投資を要求していると明らかにした。記者が総額を4000億円としたのに対し、経産相は記憶をたどりつつ「そうだったと思う」と述べ、同省が提示した金額との認識を示した。
この金額は前日の10月19日、財務省の財政制度等審議会財政投融資分科会で説明されたもので、同分科会ではIPAを通じたラピダスへの出資が議論された。経産相はこれについて、まだ折衝段階にある予算要求だと説明。分科会での指摘も踏まえ、今後も財政当局と調整を続けていくと述べた。
説明された目的は民間融資の呼び込みだ。経産相はラピダス・プロジェクトを国益の観点から必ず成功させなければならない国家的プロジェクトと位置づけ、それを前提に公的資金を投じていると述べた。
質問した記者はまた、2027年度に予定される生産設備の現物出資を挙げて追加出資が必要な理由を尋ねたほか、NEDOの委託事業終了後に出資による支援がいつまで続くのかをただした。記録された経産相の答弁では、政府支援の終了時期は示されていない。
EUの電気自動車:法案への言及避け、要求姿勢は堅持
EVに関する質問は、EUが検討する欧州製電気自動車の優遇策を巡り、フランスとドイツの両政府が日本製の除外で合意し、欧州議会や加盟国間で審議が続いていることを前提としていた。経産相は報道を承知していると述べたが、EU加盟国間で審議中の法案に関するものと理解しているとしてコメントを控えた。
経産相は、日本企業が不利益を被らないよう、政府としてあらゆるレベルでEU側に懸念を伝え、日本製品をEU製と同等とみなすよう強く働きかけていくと述べた。
日本製車両を除外する最終決定が下された場合という仮定の質問に対し、経産相は欧州が日本の自動車産業にとって重要な市場であることから、影響が小さいとは言えないと答えた。日本側はEUに説明を求め、同等扱いを強く申し入れているという。EU側からは常に日本を排除する意図はないとの回答があるものの、経産相は記者団に対し、掲げる目的と手段が整合していないと指摘した。政府は今後もあらゆるチャネルを通じて働きかけを続け、結論が出た段階で対応する方針だ。
経産相の発言は、EUやいずれかの加盟国が除外措置を採択したことを確認するものではない。法案の審議が続く中での日本側の交渉姿勢を記録したものだ。
