SHIFT(3697)は、150億円規模の投資ファンドを、その大半を出資せずに支配する。東証上場のソフトウエアテスト・ITサービスグループの同社は2026年10月15日、適時開示(TDnet)で、連結子会社のSHIFTグロース・キャピタル(SGC)が同ファンドを設立すると決定し、SHIFTと東京ガスが両社で総額150億円を出資することで基本合意したと発表した。
出資するのは誰か、決めるのは誰か
ファンドの名称はSGC-TG1号投資事業有限責任組合で、2026年12月1日に組成する予定。SGCが無限責任組合員を務める。東京ガスは優先出資の有限責任組合員、SHIFTは劣後出資の有限責任組合員となる。
関東財務局に提出した別の臨時報告書に内訳がある。出資総額に対するSHIFTの所有割合は33.3%(予定)で、うちSGC分が1.0%。業務執行の権限に対する割合は100%(予定)で、すべてSGCを通じて保有する。異動前はいずれも「-」としている。適時開示と臨時報告書には、東京ガスの出資額の個別記載はない。
SHIFTの開示では、SHIFTとSGCを合わせた出資比率は33.3%で、これも予定としている。劣後出資はSHIFT分で、優先出資は東京ガス分だ。
ファンドの投資対象
ファンドは、国内のシステムインテグレーター、システムエンジニアリングサービス提供企業、ソフトウエア開発・販売企業のうち、高い成長可能性と企業価値向上の余地を持つ企業を主な投資対象とする。期間は7年間で、うち投資期間は3年間。
SHIFTは、AIの到来を事業環境の大きな変化と捉え、オーガニック成長に加えてM&Aを進めているという。東京ガスとの協業で、SHIFT単独では捉えきれない投資機会へのアクセスが広がるとの見方を示した。東京ガスは、2026〜2028年度中期経営計画でソリューション事業を利益成長ドライバーの一つと位置づけていると説明した。製造業を中心としたDXソリューション領域で、小規模案件のM&Aを継続的に積み重ねる「プログラマティックM&A」を掲げているという。
なお条件付き
今回は基本合意の段階だ。SHIFTは東京ガスとともに、最終契約の締結など、ファンドの組成に必要な手続きを進めるとした。33.3%と100%はいずれも予定の数値としている。
臨時報告書は、この提出の理由を説明している。出資が完了すると、出資総額がSHIFTの資本金の10分の1以上に相当する見込みであるため、同ファンドはSHIFTの特定子会社に該当する。報告書は、この異動の予定日を2026年12月1日としている。
SHIFTは、業績および財務状況への影響は現時点では軽微とみている。大幅な状況変化で影響が生じる場合は、速やかに開示するとした。
