リネットジャパングループ(3556)は、業務提携先3社に新株299万1200株を1株718円で割り当て、21億5000万円を調達する。2027年と2028年にPCSの子会社2社が新株予約権を行使した場合に限り、最大33億4000万円が追加で払い込まれる。取締役会は2026年10月19日に一連の調達を決議し、同社は同日、JX金属CS、SGホールディングス、PCS Wireless LLCと資本業務提携契約を結んだ。
提携先3社と2つの事業
製錬グループであるJX金属の傘下企業であるJX金属CSと、佐川急便の親会社であるSGホールディングスはリサイクル事業で提携する。JX金属CSは製錬・精製や希少金属の回収を担い、SGホールディングスは静脈物流と回収網を構築する。リネットジャパングループは回収プラットフォームや自治体、メーカー、小売業者との連携基盤を引き続き担う。同社によると、連携する自治体は770を超える。
新品・中古のスマートフォンやタブレットを卸売りする米PCS Wirelessとはリユース事業で提携する。子会社のネットオフがPCSの調達した中古端末を仕入れ、国内の法人や個人に販売する。リユースに適さない端末は関係法令や輸出入規制への適合を条件に、国内のリサイクルへ回す。
当面の調達資金と条件付きの追加資金
新株の割当数はJX金属CSが48万7400株、SGホールディングスが40万3800株、PCSが210万株。開示資料によると、新株予約権を含めた調達後の議決権比率はそれぞれ2.40%、1.99%、10.36%となる。払込期日はJX金属CSとSGホールディングスが11月5日、PCSが12月4日までの予定で、いずれも有価証券届出書の効力発生が条件となる。
新株予約権はPCSの子会社に割り当てる。いずれの回号も行使価額の修正条項は付かない。
| 証券の種別 | 株式数 | 1株当たり価格 | 払込期間・行使期間 |
|---|---|---|---|
| 新株式(提携先3社) | 2,991,200 | ¥718 | 払込期間:2026年11月5日〜12月4日 |
| 第26回新株予約権(PCS Wireless RH1) | 1,044,000 | ¥1,077 | 2027年2月1日〜12月3日 |
| 第27回新株予約権(PCS Wireless RH2) | 1,540,000 | ¥1,436 | 2027年2月1日〜2028年6月2日 |
同社が掲げる差引手取概算額の約54億5000万円は、すべての新株予約権が行使されることを前提としている。行使されない場合や同社が消却した場合、調達額は減少する。
調達資金の使途
54億5000万円のうち、6億5000万円は回収プラットフォームの構築に、3億6100万円は中古端末向けのシステムや拠点整備、運転資金に充て、いずれも2026年11月から2028年12月までに支出する。残る44億4000万円は2030年12月までの買収資金とする。同社はリユース・リサイクルや障がい福祉サービスで19件の候補を選定中で、潜在的な投資額は約120億円を見込む。開示資料によると、全案件の実行を決めたわけではなく、不足分は手元資金や営業キャッシュフロー、銀行借入で賄うとしている。
既存株主の希薄化負担
新株と新株予約権の目的となる株式の合計は557万5200株で、2026年9月30日時点の発行済株式総数1470万3400株の37.92%(議決権ベースで37.94%)に相当する。希薄化率が25%を超えるため、東京証券取引所の規則に基づき独立した第三者の意見または株主総会決議が必要となった。同社は4人で構成する第三者委員会を選択し、同委員会は資金調達の必要性と相当性を認めた。開示資料が示す新株予約権を含めた全額調達ベースでは、PCSが10.36%を保有して第2位株主となり、異動日は12月4日を見込む。同じ基準で、同社の社長の直接持株比率は20.92%から15.16%に低下する。
付帯条件
JX金属CSとSGホールディングスは、事前の承諾なしに3年間は株式を売却できない。PCSは2年間の売却が禁じられ、その後も年間で発行済株式総数の7.5%までに制限される。PCSグループの持株比率の上限は25%と定められた。株主間契約に基づき、払込日から2年以内にリネットジャパングループとリサイクル子会社のいずれもが資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律に基づく認定を取得できなかった場合、SGホールディングスは同社の社長とその資産管理会社に保有株の買い取りを請求できる。同社は2027年9月期業績への影響は軽微とし、業績予想を据え置いた。
