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政策ウォッチ

ミツバチ評価書案、発芽〜落花期を避ける散布なら果樹でのプロパルギット使用を容認

農林水産省は、殺ダニ剤プロパルギットは果樹で発芽から落花までの期間に使わない限り蜂群に害を及ぼしにくいとする評価書案について、11月13日まで意見を募集している

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月16日3分で読める
つぼみが開く前のりんごの枝と、巣箱の巣枠、果樹園の散布機のノズル。開花期間中の散布制限を示す

農林水産省は、殺ダニ剤プロパルギット(別名BPPS)の農薬蜜蜂影響評価書案について、任意の意見募集を始めた。案は、申請された使用方法で、暴露を抑える条件を守って使う限り、同剤がミツバチの群の維持に支障を及ぼすおそれは低いと結論づけている。受け付けは2026年10月15日から11月13日までで、締め切りは最終日の23時59分。

評価結論を支える条件

申請者は、りんご、みかん、みかん以外のかんきつ、ぶどう、もも、すももを対象に、30%水和剤の登録を求めている。案は、これらすべての用途でミツバチが暴露する可能性があるとし、各用途に、閉鎖系施設栽培での使用か、発芽(萌芽)から落花(開花終了)までの期間を除く使用に限るという制限を一つ課している。

この制限で暴露を防げると判断したため、部会は暴露量を推計せず、第1段階と第2段階のリスク評価も不要とした。このため結論は、毒性と想定される暴露量との間の安全マージンではなく、制限そのものに立脚している。

ミツバチ試験の結果

毒性指標は、申請者が提出した1994年、2002年、2016年の未公表の室内試験に基づく。成虫の接触毒性では、部会は二つの接触試験の48時間LD50(有効成分でミツバチ1頭当たり15μgと75.5μg)の幾何平均33.7μgをとり、指標値を33μgとした。

評価書案のミツバチ毒性指標
数値は評価書案で設定された、ミツバチ1頭当たりの有効成分(ai)のμg。
生育段階試験指標値
成虫単回接触、48時間LD5033μg ai/bee
成虫単回経口、48時間LD50100μg ai/bee
成虫反復経口、10日LDD503.4μg ai/bee/day
幼虫単回経口、72時間LD5030μg ai/bee

成虫の単回接触毒性と単回経口毒性のLD50がいずれも1頭当たり11μg以上だったため、案は注意事項は不要としている。成虫の反復経口毒性の1頭1日当たり3.4μgは4指標のうち最も低いが、単位は試験によって異なる。

案には、プロパルギットについて花粉・花蜜の残留試験も蜂群への影響試験も挙がっていない。文献検索でも部会が審議すべきものは見つからず、公表文献に関する情報募集(2025年10月7日〜11月6日)にも情報は寄せられなかった。

手続きと時期

農林水産大臣は、農薬取締法に基づく農薬の登録や変更の登録に当たり、農業資材審議会の意見を聴かなければならず、ミツバチへの影響は専門家による部会が扱う。審議会への諮問は2025年11月25日で、部会の第22回会合が2026年9月10日に評価書案を了承した。同省は寄せられた意見を考慮したうえで決定するとしている。公示に決定時期の記載はない。

意見は日本語に限り、同省は個別には回答しない。郵送の場合も締め切り日必着。意見は個人情報を伏せたうえで公開される可能性がある。この手続きは行政手続法に基づくものではなく、任意の意見募集である。