東証グロース上場の蓄電池メーカー、パワーエックス(485A)は日本経済新聞の報道に対し、生産は計画通りであり、北海道工場の稼働延期も問題を示すものではないと説明内容を絞って反論した。2026年10月22日付の開示は同社の声明であり、第三者が検証した事実ではない。
進捗率99.2%が示す対象
パワーエックスは、蓄電システムの生産は計画通り進捗しており、2026年12月期の出荷計画に影響する生産遅延は発生していないと説明した。当期の生産進捗率は2026年10月21日時点で99.2%だった。
注目すべきは数字そのものよりも注記にある。パワーエックスはこの進捗率を、生産済み在庫に基づく売上換算値ベースで、機器販売売上に占める割合として算定している。出荷や検収、売上計上の進捗率を示すものではないという。したがって99.2%という数字は、計画された機器販売金額のうちどれだけ生産を終えたかを示すもので、引き渡しや計上の進捗ではない。
北海道工場の稼働を延期した理由
10月22日付の日本経済新聞の記事には、「苫小牧での工場新設が遅れるなど量産化には課題が残る」との記載があった。パワーエックスは、この記述を受けて今回の声明を出したとしている。
同社によると、苫小牧市の新工場「Power Base Hokkaido」の稼働開始時期を2027年6月から2028年7月(予定)へ変更することは2026年8月13日に公表済みだという。以下を参照:Tokyo Briefの過去記事を参照。
パワーエックスが挙げる理由は生産能力だ。三井E&S玉野事業所内にある岡山第2工場での2直生産(2交代制)と、2027年1月稼働予定の本社工場「Power Base」の新設ラインを合わせれば、2027年から2025年実績の3倍の生産量に対応できる見通しだという。そのため2027年の生産は岡山の既存2拠点で賄え、北海道工場の追加生産能力は2028年まで不要と判断した。稼働開始時期は資本効率の観点から意図的に見直したもので、生産上の課題や量産の遅れによる変更ではないとしている。
変更のない点
パワーエックスは、公表済みの2026年12月期の連結業績予想に変更はないとした。2027年1月稼働予定の新設ラインと北海道工場はいずれも計画段階であり、稼働していない。声明には生産量の実数が示されておらず、2025年実績の3倍という比率は今回の開示だけでは検証できない。
