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オムロン、産業用PCのOnLogicを6億7500万ドルで買収合意

オムロンは、受注生産の産業用PCを主に日本国外の顧客へ直販する米バーモント州のOnLogicと親会社を、企業価値ベースで6億7500万ドルで取得し、対価は主に手元資金で支払う

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月13日3分で読めるオムロン6645
組立台に置かれた堅牢な産業用コンピューターと、ロボット用センサーモジュール、出荷用の段ボール箱

オムロン(6645)は、米バーモント州の産業用PCメーカーであるInterlogic, Inc.とその子会社OnLogic, Inc.を、企業価値ベースで6億7500万ドル(同社の1ドル=155円換算で約1046億円)で買収することで合意した。同社の買収に関するお知らせによると、取締役会が決議し、契約を日本時間2026年10月10日に締結した。

買収の枠組みと日程

オムロンは米デラウェア州に子会社を設立し、Interlogicに吸収させる。存続会社はInterlogicとなる。この逆三角合併により、Interlogicはオムロンの直接の完全子会社に、OnLogicは孫会社になる。対価は現金で、主に手元資金を充てる。正確な内訳は発表で示されていない。

オムロンによると、この方式を選んだのは、Interlogicには創業家のほか役職員株主167人がいるためだ。役職員株主の持ち株比率は合計8.06%で、合併なら個別に買い取らず全株式を一括で取得できる。売り手は、持ち株比率91.94%、議決権比率99.11%の創業者Roeland Groeneveld氏とLisa Groeneveld氏、および役職員株主167人。

買収の実行は2027年1月ごろの予定で、規制当局の承認取得と最終契約に定める条件の充足が前提となる。オムロンは2027年3月期の業績への影響は軽微とみている。

買収の対象となる事業

OnLogicは構成の自由度が高い堅牢な産業用PCを受注生産で手がけ、販売は代理店を通さない顧客への直販が中心。売上高の90%超を米州、欧州などで計上し、顧客の業種は幅広い。創業は2003年で、2026年3月24日時点の従業員は301人、拠点は7カ所(うち製造拠点は2カ所)。Interlogicの子会社には、オランダのOnLogic International B.V.があり、同社がオランダ、ドイツ、英国、台湾、マレーシアの子会社を保有する。

Interlogicグループの米国会計基準による業績は、2025年の売上高が1億5420万ドルで、2024年の1億2230万ドル、2023年の1億2960万ドルを上回った。2025年のEBITDAは2260万ドル。オムロンは調整後EBITDA2710万ドルも示しており、買収後には発生しないとデューデリジェンスで判断した費用を足し戻した数値という。

Interlogicグループの業績(米国会計基準、百万ドル)
Interlogic, Inc.と子会社の連結、12月期。調整後EBITDAは、買収後に発生が見込まれない費用を足し戻した参考値。
指標2023年2024年2025年
売上高129.6122.3154.2
EBITDA15.911.622.6
調整後EBITDA20.616.127.1
総資産122.2115.5133.2
純資産56.756.170.1

戦略上の狙い

オムロンは制御機器事業について、FAメーカーから、現場の機器から得たデータを活用する「GEMBA DX×フィジカルAI企業」へ移行させたい考えだ。OnLogicのPCを自社の制御技術と組み合わせてフィジカルAIプラットフォームの開発を加速するほか、OnLogicの米州・欧州の顧客に製品を相互販売し、センシング機器とロボティクス機器を組み合わせた商品を共同で提供するとしている。

OnLogicはオムロン内で独立した事業として運営し、直販モデルとブランドを維持する。CEOのSean Larkin氏ら現経営陣は続投する見通しで、オムロンはアジアの事業基盤とFAの知見を提供する。オムロンの発表では、同社とInterlogicの間に資本関係、人的関係、取引関係はない。売り手側のアドバイザーはEvercore Inc.が務めたとしている。