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政策ウォッチ

王子コンテナーに勧告、遊休印版の下請け保管費支払い求め

公正取引委員会は王子コンテナーに対し、発注を止めた印版や型など9610個の保管費用を下請事業者140社に支払うよう勧告した。同社はうち127社に341万円を支払っていた。全国段ボール工業組合連合会には無償保管の慣行を改めるよう要請した。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月22日3分で読める
包装作業場の棚に置かれた遊休状態の木型と印版、その横に積まれた段ボールシート

公正取引委員会は2026年10月22日、王子コンテナーに対し、発注を止めた製品に使う印版や木型、金型の保管費用を下請事業者に支払うよう勧告した。公取委は中小企業庁、経済産業省とともに、全国段ボール工業組合連合会に対しても、加盟企業の間でこうした慣行をなくすよう要請した。

王子コンテナーの違反内容

公取委の認定によると、王子コンテナーは段ボール製品や紙器製品を製造する下請事業者140社に、自社または顧客が所有する印版や型を貸与していた。遅くとも2024年6月1日から2025年11月26日までの間、それらを使った製品の発注を長期間行わなかったにもかかわらず、保管費用を負担しないまま計9610個を下請事業者に保管させていた。

公取委はこれを、2025年改正前の下請法第4条第2項第3号が禁じる「不当な経済上の利益の提供要請」に当たると認定した。本件には改正前の旧法が適用される。発表資料によると、2025年12月までの発注には旧法が、2026年1月以降の発注には改称後の後継法が適用される。第7条第3項に基づく今回の勧告は、下請事業者の利益を保護するため必要な措置を講じるよう求めている。中小企業庁は2026年9月14日に措置請求を行っていた。

支払対象と支払額

王子コンテナーは一部をすでに支払っている。各社と協議した上で、2026年7月までに下請事業者140社のうち127社に対し、2024年4月から2026年5月までの保管費用などとして計341万円を支払った。公取委は、これに今回の問題となった保管費用相当額の一部が含まれると認めた。同社はまた、2025年11月26日までに、今後の保管費用の支払いについて下請事業者と合意していた。

勧告は王子コンテナーに対し、公取委の確認を得た上で、残額を140社すべてに支払うよう求めている。発表資料には残額の総額は記載されておらず、罰金への言及もない。勧告はこのほか、違反事実を取締役会の決議で確認することや、発注担当者に対する新法の研修の実施、役員・従業員および下請事業者への勧告内容の周知・通知、講じた措置の公取委への報告を求めている。

業界団体への要請

公取委、中小企業庁、経産省によると、こうした勧告はこの1年間で2件目となる。2026年3月13日の前回の勧告は別の段ボールメーカーに対するもので、下請事業者132社、印版・木型7846個が対象だった。いずれの調査でも、下請事業者による無償保管が業界の商慣習となっていたことが確認された。

3省庁は同連合会に対し、2件の勧告事例と型などの無償保管が問題となることを説明したリーフレットを業界内に周知することや、違反の未然防止と価格転嫁に関する法令遵守を会員企業に促すこと、商慣習を見直しその後もフォローアップを行うことを要請した。公取委と中小企業庁は、段ボール製品・紙器製品の製造販売業者による違反行為に引き続き迅速かつ厳正に対処するとしている。

発注側が留意すべき点

今回の事案に合わせて公表されたリーフレットは、発注を長期間行わないまま下請事業者に無償で保管させてはならない対象として、金型、印版、木型、検具、機械設備、治具、工具を挙げている。自社または顧客の型などを貸与している発注企業は、取引先で何が遊休状態になっているか、その保管費用を誰が負担しているかを確認する必要がある。