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政策ウォッチ

厚労省、賃金デジタル払いの資金移動業者向け保証要件を見直し

賃金受取の指定を目指す資金移動業者に対し、設定した最大口座数に応じた保証額の確保と、破産などの申立て後の労働者からの請求から6営業日以内の残高全額弁済を求めるガイドライン改正案が11月16日まで意見募集に付されている

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月19日3分で読める
6枠のカレンダーの横で、多数の同一の口座タイルが1つの弁済ルートへ流れ込む様子を描いた抽象的なイラスト。

厚生労働省は、従業員の賃金受取の指定を受けようとする資金移動業者向けガイドライン第2版の案について、2026年11月16日まで意見募集(パブリックコメント)を実施している。募集は10月16日に開始された。意見は日本語に限られ、電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォーム、または同省賃金課宛ての電子メールもしくは郵送で受け付ける。

改正案の前提となる制度の枠組み

改正案によると、使用者は労働者の同意を得た場合に限り、指定資金移動業者の口座へ賃金を支払うことができる。労働者の口座残高は、受入上限額の設定、または100万円を超えた分を労働者があらかじめ指定した銀行口座や証券総合口座へ当日中に送金する措置により、100万円以下に抑える必要がある。

また、民間の保証機関が口座残高全額を保証する仕組みも求められる。資金移動業者に破産手続開始の申立てなどがあった場合、保証機関は労働者に「速やかに」弁済しなければならず、改正案はこの期限を労働者からの弁済請求から6営業日以内(請求を要しない場合は申立てなどから6営業日以内)と定めている。

新旧対照表による主な変更点

同省が公表した新旧対照表では、現行のガイドラインから複数の修正が示されている。

  • 資金移動業者単位での上限設定。受入上限額の設定は資金移動業者の単位で行うとの一文が追加された。
  • 保証額の算定。保証機関が調達可能であるべき保証額は、100万円(受入上限額を100万円以下に設定する場合はその設定額)に最大口座数を乗じた額と想定されている。この最大口座数を指定の条件として設定する旨の記述からは「原則として」の文言が削除された。また、破綻時などに6営業日以内に口座残高全額を弁済する措置を担保する趣旨であるとの一文が加わった。
  • 最大口座数の定義。改正案では、最大口座数を開設済みの口座数および開設が現に予定されている口座数と定義している。口座数の増加を見込んだ保証額をあらかじめ確保しておく必要は必ずしもなく、新規開設口座数を正確に把握した上で、各口座への初回入金までに受入上限額分の追加保証を講じる仕組みで担保することも認められる。
  • 第三者認証。プライバシーマークまたはISMS認証の取得要件について、「その他これらに準ずる」認証も新たに認められる。認証を申請中の事業者でも指定申請は受理され得るが、取得が完了するまでは指定されない。
  • 労働者への説明。使用者が制度を説明する際、保証機関によって口座残高全額が弁済される旨を伝える必要がある。現行の規定では、口座残高が弁済されるとしか記されていない。

未定の事項

改正案の日付は空欄となっており、意見募集の公示でも改正ガイドラインの適用日は示されていない。ガイドラインでは、実際の指定は各資金移動業者からの申請内容に基づき個別に判断されるとしている。同省は寄せられた意見に個別の回答は行わず、氏名や連絡先を除いて公表する場合があるとしている。