川崎汽船(9107)は10月23日、2027年3月期の業績予想を上方修正した。特徴的なのは損益計算書の段階利益によって修正幅が大きく異なる点だ。親会社株主に帰属する当期純利益の予想は、8月4日公表の前回予想(1350億円)から550億円引き上げ1900億円とした。これに対し、営業利益の引き上げ幅は60億円にとどまり、850億円から910億円への修正となった。
上方修正の内訳
通期の経常利益予想も前回予想の1350億円から550億円(40.7%)引き上げ、1900億円とした。営業利益の増加率は7.1%となる。売上高予想は1兆700億円から1000億円(9.3%)引き上げ、1兆1700億円とした。1株当たり当期純利益は前回予想の220円79銭に対し、316円46銭を見込む。
| 項目 | 前回予想 | 今回修正予想 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,070,000 | 1,170,000 | +100,000 (9.3%) |
| 営業利益 | 85,000 | 91,000 | +6,000 (7.1%) |
| 経常利益 | 135,000 | 190,000 | +55,000 (40.7%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 135,000 | 190,000 | +55,000 (40.7%) |
川崎汽船の2026年3月期実績は、売上高が1兆200億円、営業利益が842億円、経常利益が1091億円、純利益が1330億円だった。今回の新たな純利益予想はこの前期実績を上回る。
2つの異なる修正理由
川崎汽船は上方修正の理由として2点を挙げている。売上高と営業利益の修正は、主にドライバルク事業で引き続き堅調な市況が見込まれるためだ。
一方、上げ幅の大きい経常利益と純利益の修正は別の要因による。川崎汽船の持分法適用関連会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(ONE)はコンテナ船事業を運営しており、川崎汽船によれば同事業で貨物需要と市況が前回予想を上回った。これが経常利益と純利益を修正した理由だとしている。
発表資料ではONEの利益貢献額が個別に開示されておらず、550億円の引き上げ幅における2つの要因の内訳は示されていない。
上期業績予想
2026年4〜9月を対象とする上期(第2四半期累計)の業績予想も上方修正した。売上高は6020億円(前回予想5745億円)、営業利益は510億円(同420億円)、経常利益は1180億円(同800億円)、中間純利益は1245億円(同860億円)を見込む。1株当たり中間純利益は203円60銭と予想し、中間純利益の予想は前回比で44.8%の増額となる。
留意点
上期および通期の修正数値はいずれも業績予想であり、実績ではない。川崎汽船は、これらの予想が10月23日時点で入手可能な情報に基づくものであり、実際の業績は事業環境によって異なる可能性があると説明している。貨物需要や市況の見通しは同社独自の判断によるものだ。
