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政策ウォッチ

処方箋なしでの医療用医薬品販売禁止、厚労省が限定的な例外規定案

11月14日まで意見募集中の省令・告示案では、処方箋を持たない人に医療用医薬品を販売する際、薬剤師に3条件の確認と必要数量への限定を義務づける。薬局開設者には販売事由の記録を2年間保存させる。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月19日3分で読める
無地の薬箱が並ぶ棚、記録台帳、3項目のチェックリストが置かれた薬局カウンターのイラスト。

厚生労働省は、薬局が処方箋なしで医療用医薬品を販売することを禁止する規制の細則案を公表し、意見募集(パブリックコメント)を開始した。この販売禁止は、2025年法律第37号による改正後の医薬品医療機器等法に基づくものだ。公表された案では、規制の対象者や、薬剤師が例外的に販売できる要件、販売後に記録すべき事項を定めている。

原則禁止と例外規定

改正薬機法第36条の3第2項に基づき、薬局開設者は正当な理由がない限り、医師、歯科医師または獣医師から処方箋の交付を受けていない者に対し、指定された医薬品を販売・授与してはならない。同法では、禁止対象となる医薬品を厚労相が指定することとしている。

告示案では、除外方式によって対象を規定している。同法が薬局医薬品として分類する医薬品(第4条第9項第2号)から、第2条第17項第3号に規定する医薬品を除いたものを対象とする。公表された概要資料には、この除外規定にどの製品が該当するかは記載されていない。

別途示された厚労省令案では、例外的に販売できる要件を定めている。薬剤師は、購入希望者が以下の3つの条件すべてに該当する場合に限り販売できる。

  • 購入希望者が、医師または歯科医師の処方箋によって現にその医薬品を使用していること。
  • 診療を受けられないなどの特別な事情により、処方箋によってその医薬品の交付を受けることが一時的に困難な状況にあること。
  • その医薬品に代えて、薬局製造販売医薬品や要指導医薬品、一般用医薬品の使用を勧めることが困難な状況にあること。

薬剤師の確認・記録義務

購入希望者が処方箋を持たない場合、薬局開設者は薬剤師に正当な理由の有無を確認させなければならない。判断にあたり、薬剤師は購入希望者がその医薬品を使用する本人であることを確認するとともに、購入希望者および使用者が他の薬局から同じ医薬品を購入した状況を確認する。また、その医薬品に関する情報提供および指導を受けた者が内容を理解し、質問がないことも確認する。

例外規定に基づく販売は、その事情に照らして必要な数量に限られる。販売後、薬局開設者はその事由を記録し、2年間保存しなければならない。あわせて行われる省令改正により、事業者はこれらの記録を書面ではなく電磁的記録として作成・保存することも可能になる。

省令案のその他の改正項目

同省令案ではまた、品質管理に関する区分適合性調査の対象から除外する製造工程の区分も改める。改正薬機法の下では、特に注意が必要な製造工程の区分について、医薬品医療機器総合機構による調査を受ける必要がある。今回の省令案では除外対象として、特定医薬品等区分適合性調査が実地で行われ適合とされた区分と、承認時や定期などの一定の適合性調査や変更計画適合性確認が実地で行われ適合とされた医薬品の製造工程が属する区分の2つを追加する。

さらに、登録受渡店舗や特定調剤業務の委託に関する複数の文書による指示や報告についても、電磁的記録で処理できる事務の対象に追加する。

今後のスケジュール

厚労省は2026年10月16日に意見募集を開始しており、同年11月14日23時59分まで受け付ける。意見は日本語に限られ、理由と提出者の連絡先の明記が必要となる。個別の回答は行われず、提出された意見の一部は公表される場合がある。

両案とも2026年11月下旬の公布・告示を予定している。施行・適用期日は改正法附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日となるが、省令案における所要の規定の整理の一部は公布日に施行される。両案とも、本体規定の施行日について具体的な日付は示していない。