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政策ウォッチ

政府、歴史まちづくり重点区域の対象拡大と都道府県の景観行政関与で指針・省令案

11月14日まで意見募集が行われている3件の規則・指針案は、2026年5月の法改正を実務に移すものだ。歴史まちづくり計画の核となる文化財類型を拡大し、都道府県による景観の広域基本方針策定や住民による計画提案を可能にする内容で、11月下旬の施行を予定している。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月19日3分で読める
川岸の堤防沿いに立つ復原された木造町家と、その風景の上に描かれた計画区域の境界線

国土交通省は10月16日、2026年5月の法改正を実務上の規定に落とし込む3件の案を公表した。意見募集は11月14日に締め切られ、運用指針の募集資料では2026年11月下旬の施行を予定している。今回の措置は、2026年5月27日に公布された都市再生特別措置法等の一部を改正する法律(2026年法律第23号)に基づく。

歴史まちづくり:対象文化財の拡大と提案制度の創設

歴史まちづくり法運用指針の改正案は、市町村の重点区域の要件となる文化財類型を列挙している。改正法により、重要文化的景観、国登録有形文化財、登録有形民俗文化財、登録記念物、地方公共団体指定文化財が追加された。これらの類型に基づき計画を作成する市町村は、当該文化財が地域の歴史的風致の核となっていることを示す資料を作成しなければならない。

住民による計画提案の道も開かれる。所有権または一定の借地権を有する者は、市町村に対し計画の作成や変更を提案できる。ただし、重点区域となり得る土地で、0.5ヘクタール以上の一団の土地として一体的に維持・向上されるべき区域に限り、権利者の3分の2以上の同意を要件とする。市町村は条例で面積要件を0.1ヘクタール以上0.5ヘクタール未満に引き下げることができる。また、都市再生推進法人も、固有魅力維持向上区域と重複する区域では面積要件なしで提案できるが、一部の文化財類型では核となる文化財自体がその区域内になければならない。市町村は提案を踏まえた対応の要否を速やかに提案者に通知し、対応しない場合は理由を示さなければならない。

景観行政:都道府県の関与を強化

景観法運用指針の改正案には、都道府県による新たな広域基本方針と広域景観協議会が盛り込まれた。広域基本方針が定められた場合、市町村の景観計画はこれに即さなければならない。改正案は、都道府県が対象区域を県内全域ではなく必要な範囲に限定すべきだとした上で、関係市町村の意見を聴かなければならないとしている。同改正案は、市町村が都道府県の同意を得て景観行政事務を都道府県に返還する手続も扱っており、真に必要な場合に限定すべきだとしている。

改正案は、過疎化や建造物の老朽化が進む区域で、所有者に代わって建造物の改修・管理・活用を行う景観再生事業についても規定している。担い手となる法人は景観整備推進法人に改称され、良好な景観の形成を目的とする会社も新たに指定対象となる。

関係省令:届出・公告手続と協定期間

国土交通省の省令案は、複数の法律に基づく施行規則を改正する。特定固有魅力形成建築物の届出規定や各種協定の公告規定を追加するほか、防災施設管理協定の期間を5年以上20年以下と定める。景観法施行規則では、再生協定の期間を5年以下とすることができる。また、民間都市開発推進機構による金融支援の方法も追加する。

手続の位置付けと留意点

2件の運用指針改正案は地方公共団体に対する技術的な助言にあたり、意見募集は任意の手続として実施される。省令案は行政手続法に基づく手続で、11月14日23時59分に締め切られる。省令案は施行日を空欄としており、概要資料が2026年11月下旬の改正法施行日とする期間内で定められる。