環境省は10月13日、オオガシラ属(Boiga属)の全種を特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律に基づく特定外来生物に指定する政令案について、意見募集を始めた。同属37種のうち5種は既に指定されており、残る32種は現在、未判定外来生物に分類されているが、今回新たに追加される。同政令は現在、166種類の外来生物を指定している。
環境省の考え方
環境省によると、同属は比較的大型になる樹上性の高次捕食者で、オーストラリア中東部から東南アジアが原産。同省の評価では、南日本に定着するおそれがあり、種類によっては関東以南に定着するおそれもある。定着した場合、鳥類、爬虫類、両生類の捕食や、生息地や餌をめぐる在来生物との競合により、在来生物や生態系に重大な被害を及ぼすおそれがあるとしている。同省は2026年9月の専門家会合を経てこの判断に至った。
指定で必要になる手続き
指定されると、飼養、保管、運搬、放出、輸入が規制される。現在飼養している個体の飼養を継続する場合でも許可が必要で、既存の飼養者に例外はない。環境省は、指定後は愛玩目的で新たに飼養を始めることはできなくなるとしている。許可申請があるのは、過去に輸入された個体を起源とする個体、動物園などでの展示、研究に限られると見込んでいる。
条件は環境省の告示案が定める。許可の有効期間は5年。飼養施設は、おり型施設、擁壁式施設、移動用施設、水槽型施設のいずれかとする。個体には原則として皮下にマイクロチップを埋め込み、獣医師の証明書を飼養開始から30日以内に提出する。告示案には例外もある。50センチ未満の個体や、体力が弱く埋め込みに耐えられない個体は、施設への標識の掲出と写真で識別措置に代えられる。研究者は埋め込みの事実を記した書類を自ら提出できる。既にマイクロチップが埋め込まれている個体には、別の書類手続きがある。輸入、繁殖、譲渡、死亡などによる個体数の増減は30日以内に届け出る。展示用の個体は、5年間保管する台帳と年1回の報告書で代えられる。
案には施行日の記載がない。施行日は空欄で、改正政令の施行日に合わせる形になっている。
費用と市場の規模
環境省の規制の事前評価は、負担の総額を年間10億円未満としている。申請1件当たりの費用は、飼養施設を除く書類・図面の作成でおよそ5万~30万円、マイクロチップと証明書で5000~1万5000円。環境省自身の処理費用は1件当たり約8000円としている。
評価が示す市場は小さい。既に指定されている5種の許可申請は、2008年から2012年までに3件にとどまる。新たに対象となる種のうち3種は2010年代にペットとして販売されたが、2016年8月から2026年8月までのインターネットオークションサービスでは、同属の販売は確認されていない。環境省は、国内での飼養は基本的にないか、ごく僅少と結論づけ、このため利害関係者への意見聴取は行わなかった。施行から5年後に事後評価を実施する予定。
付随する名称の変更
今回の改正案は、近年の分類学上の見直しを踏まえた名称の変更も含む。カミツキガメの項はChelydra属(カミツキガメ属)全種とする。ひきがえる科の対象は、旧Bufo属から分割された19属に属する種に改める。あかがえる科の6種は属名をRanaからLithobatesに改める。
意見は日本語でA4判の用紙に記し、11月11日までにe-Govまたは郵送で提出できる。電話での意見提出は受け付けない。
