北興化学工業(4992)は10月23日付の第3報で、岡山工場からベンゼンを含む排水が流出した問題について、流出源とみられる箇所と、2027年3月ごろまでに見込む地下水対策工事の完了時期を投資家に示した。7月30日付の第2報以降の進捗をまとめた。
流出は7月中旬にさかのぼる。7月14日午後4時15分ごろ、工場前の吉浦海岸岸壁基礎付近から液体が流出していると玉野市から連絡があり、同社は7月17日午後10時ごろ、自社で取り扱う化学物質が排水に含まれていることを確認した。検出物質としてベンゼン、トルエン、キシレンが挙げられている。
流出源とみられる箇所
同社によると、排水経路の点検で、合成第6工場の排水ピットへつながるトレンチ内部のコンクリート劣化と、合成第7工場の排水溝の欠損および排水ピットまでの埋設配管の亀裂の2点が見つかった。ガス検査の結果もこれらの箇所が流出源である可能性を示している。ただ、原因特定には至っておらず、ガス検査や今後実施する土壌のボーリング調査を通じて、他の流出源の可能性も含めて原因の特定を続けるとしている。
稼働状況と水質調査
同社は直ちに両合成工場の運転を停止し、それぞれの排水ピットの廃液を抜き取った。また、流出場所付近で地下水をくみ上げ、岸壁の流出口を封鎖したほか、新たな流出がないか確認を続けているという。
7月16〜27日に岸壁付近で採取した排水からは、報告書が示す水質汚濁防止法の排水基準0.1mg/Lに対し、1.5〜4.6mg/Lのベンゼンが検出された。トルエンは23.7〜37.3mg/L、キシレンは12.1〜22.4mg/Lで、報告書によると両物質に同法の基準はない。岡山県が7月17日に沖合2カ所と吉浦海岸付近1カ所で実施した海水のサンプリング調査では、環境基準に適合しているとの報告を県から受けたという。
同社によると、岡山工場内の各工場では点検と再発防止策を実施した上で生産を続けている。報告書は合成第6工場と合成第7工場の再開時期を示していない。
対策計画
同社は流出源とみられる箇所の修繕と構造改良を行うとともに、工場内の全排水系統を再点検し、埋設配管のトレンチ構造化など再配置を進める方針だ。地下水については、複数の井戸で地下水をくみ上げて処理施設へ送るバリア揚水井戸の設置を軸に検討している。報告書はこれを土壌汚染対策法に基づく汚染の拡大防止措置と説明している。最終的な工法は、ボーリング調査で土壌・地下水汚染の分布や地下水の流向・流量を把握した上で決定する。現時点では2027年3月ごろまでに対策工事を完了する予定としている。
今回の報告は連結業績への影響を数値で示しておらず、同社は判明次第速やかに公表するとしている。
