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日置電機、9カ月の受注40%増も部品不足で売上伸び悩み

日置電機の9カ月累計の受注高は40.0%増と売上高の22.8%増を上回り、自動試験装置の受注は2倍超に。同社は部品不足で納入が遅れているとしつつ、通期予想は据え置いた

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月15日3分で読める日置電機6866
多層回路基板の上方にあるフライングプローブ式検査装置と、ほぼ空の部品ビンの横に積まれて待機する基板

日置電機(6866)は、受注に出荷が追いついていない。同社の第3四半期決算短信によると、2026年9月30日までの9カ月間の連結受注高は40.0%増の416億6000万円、売上高は22.8%増の358億7000万円だった。同社は、部品の供給逼迫で受注済みの一部案件の売上計上が翌四半期以降にずれ込み、売上高の伸びが受注高の伸びに及んでいないとしている。

利益の伸びは売上高を上回る

営業利益は51.0%増の71億9000万円、経常利益は51.9%増の73億9000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は63.6%増の58億3000万円だった。いずれも9カ月累計の前年同期比。日置電機は、売上高の大幅な増加が部品価格の上昇に伴う売上原価の増加分を吸収したとしている。円安による為替換算も増収に寄与したという。

自動試験装置で目立つ受注と売上の差

差が最も大きいのは、電子基板の検査に使う自動試験装置だ。受注高は124.4%増の51億4000万円だったが、売上高は28.2%増の30億7000万円にとどまった。日置電機は、治具を使わないフライングプローブ方式が、AIデータセンター向けの大型・高密度・多層基板の需要に合致し、先端基板向け装置の受注が大きく伸びたとしている。

同社は、この製品群は生産リードタイムが長く、部品調達の遅れも重なったと説明する。第3四半期に受注した案件の大半は、納入が翌事業年度以降になる見通しだ。最大の製品群である電子測定器は差が小さく、受注高は47.6%増の221億1000万円、売上高は29.8%増の189億5000万円だった。

受注高と売上高、2026年9月までの9カ月間
累計値は前年同期との比較、円建て金額は原資料の千円単位の数値を丸めたもの
製品群受注高受注高の伸び売上高売上高の伸び
自動試験装置51億4000万円124.4%30億7000万円28.2%
電子測定器221億1000万円47.6%189億5000万円29.8%
合計416億6000万円40.0%358億7000万円22.8%

顧客の所在地別では、中国が成長の中心だった。同地域の受注高は57.5%増の131億9000万円、売上高は28.6%増の103億7000万円。台湾の受注高は219.9%増の29億1000万円。海外売上高は235億7000万円で、全体の65.7%を占めた。

業績予想は据え置き

日置電機は、6月5日に公表した通期予想を据え置いた。売上高は477億円(17.7%増)、営業利益は95億円(39.9%増)、純利益は75億4000万円(38.2%増)を見込む。理由として、パワー半導体やプリント基板などの電子部品全般で世界的な供給逼迫が続いていること、リードタイムの長期化や出荷遅延を挙げる。6月以降に円高・円安の両方向に振れているドル円相場にも言及した。予想は6月時点の為替前提を維持しており、為替の動きが通期業績に影響を及ぼす可能性があるとしている。修正が必要になれば速やかに公表するという。配当予想は年240円で、中間配当120円を含む。

日置電機は、出荷は前年を上回る水準を維持しており、生産ラインと協力工場を活用して部品の入荷に合わせて出荷していると説明している。供給の逼迫が続く場合は、代替部品への切り替えや設計変更を行う計画だ。四半期財務諸表は、公認会計士または監査法人のレビューを受けていない。