KDDI(9433)の中間決算では、2種類の利益指標が大きく異なる結果となった。2026年9月30日までの6カ月間(中間期)の売上高は4.7%増の3兆500億円、調整後営業利益は13.9%増の6331億円となった一方、営業利益(IFRSベース)は0.8%増の5593億円にとどまった。
| 指標 | 前年中間期 | 当中間期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 調整後営業利益 | 5557億円 | 6331億円 | +13.9% |
| 営業利益 | 5550億円 | 5593億円 | +0.8% |
| 親会社の所有者に帰属する調整後中間利益 | 3434億円 | 3900億円 | +13.6% |
| 親会社の所有者に帰属する中間利益 | 3599億円 | 3633億円 | +0.9% |
KDDIは調整後利益を、非経常的な損益やポートフォリオ見直しに伴う一時損益を除外したものと定義している。調整内容はノンキャッシュ(非資金損益)が中心で、将来のキャッシュ創出力に影響はないとしている。
2件の減損損失が差の要因に
KDDIは上期に683億円の減損損失を計上した。前年同期は5300万円だった。
このうち金額が大きい557億円は、「その他」セグメントに属する連結子会社ののれんや商標権などに係るものだ。回収可能価額が帳簿価額を下回ったとしている。決算短信では、この子会社は日本語の社名のみで記載されている。
2件目の127億円は、「パーソナルグロース」セグメントのフードデリバリー事業であるmenuに係る減損だ。KDDIは競争環境の変化や事業見通しを理由に、同社の解散および清算を決定した。投資の回収が見込めなくなったためとしている。意思決定は済んでおり、決算説明会資料によると、同サービスは9月30日に終了し、清算手続きが進められている。
その他の項目と合わせ、営業利益段階での調整額は738億円となった。
カカクコム関連で営業外に評価益
KDDIはカカクコムとの資本提携契約の解消を決定し、9月28日付で解約合意書を締結した。これに伴い、カカクコムは持分法適用関連会社から除外された。保有株式を公正価値で再測定したことにより503億円の評価益が発生し、「その他の営業外損益」に計上された。これが押し上げ要因となり、税引前中間利益は前年同期比5.3%増の5933億円となった。親会社の所有者に帰属する中間利益は0.9%増の3633億円にとどまった一方、調整後中間利益は13.6%増の3900億円だった。あわせてTokyo Briefの過去の記事も参照。
KDDIの決算説明会資料は、ダイベストメント(事業売却・撤退)案件の一つにカカクコムを挙げており、2026年5月に売却を意思決定済みで、時期は未定としている。下期に売却が実現すれば、通期の当期利益の調整額はおおむねフラットになる見込みだという。提携解消だけでは売却が成立したとはいえず、決算短信には売却額や売却先の記載はない。
通期予想とキャッシュ・フロー
通期の業績予想は据え置きで、売上高6兆4100億円、調整後営業利益1兆2100億円、調整後当期利益7310億円を見込む。調整後営業利益の通期予想に対する上期進捗率は52.3%となった。中間配当は前年同期の40円から42円に増配し、年間配当は84円を予想している。
営業キャッシュ・フローは前年同期の8227億円から4282億円に減少した。KDDIは減少の要因として、税引前利益の増加や、金融子会社で借入金が増加から減少に転じたことなどを挙げた。決算説明会資料によると、上期のダイベストメント案件は売却未了分を含め13件あり、11月6日時点の最新提案額に基づくキャッシュ創出額は約1500億円に上る。また、子会社1社が連結範囲から除外された。
