第一三共(4568)の9月中間決算はがん領域事業が業績を牽引した一方、ヘルスケア事業の切り離しは段階的に進んでいる。売上収益は19.7%増の1兆1700億円、コア営業利益は46.9%増の2213億円となった。
増益の要因
オンコロジービジネスユニットの売上収益は54.8%増の4226億円だった。エンハーツの売上収益は46.0%増の3738億円で、内訳は米国が2710億円、欧州が1028億円。ダトロウェイは101億円から401億円に伸びた。期中平均レートが前年同期の1ドル=146円04銭に対し159円37銭と円安が進んだことも寄与し、為替影響で売上収益が739億円、コア営業利益が227億円押し上げられた。
販売費及び一般管理費は26.3%増の4661億円となった。同社はアストラゼネカとのプロフィット・シェアの増加などを要因に挙げている。営業利益はEUスペシャルティビジネスユニットの事業再編費用が響いて伸びが抑えられ、34.4%増の1938億円となった。親会社の所有者に帰属する中間利益は15.8%増の1515億円だった。
同社は当中間期からコア営業利益の定義を変更し、前年同期の実績も新基準で遡及修正した。為替差損益がコア営業利益から除外されるのは2028年3月期からとなる。
段階的な株式譲渡
第一三共は2026年4月、第一三共ヘルスケアの全株式をサントリーホールディングスへ2465億円(予定)で譲渡する契約を結んだ。譲渡価額は価格調整条項に基づき修正される可能性がある。最初の30%は2026年7月1日に譲渡済みで、今回の完了分ではない。さらに2027年6月1日に40%を譲渡し、この時点で支配を喪失する見込みで、残りの株式は2029年6月1日に譲渡される予定だ。
第2段階の譲渡で初めて支配が移転するため、2回の株式譲渡は単一の取引として会計処理される。譲渡対価と譲渡原価の差額530億円は債務として計上されており、支配喪失時に収益として認識される予定だ。それまでは、売上収益483億円を計上したヘルスケアユニットは連結対象にとどまる。
