東京証券取引所は10月23日、ソフトウエア企業のACCESS(コード4813、プライム市場)について、特別注意銘柄の指定継続を決定した。東証の通知によると、有価証券上場規程第503条第4項第2号aに基づき、同社の内部管理体制等は適切に整備されていると認められるものの、適切に運用されているとは認められないとしている。ACCESSは10月26日の適時開示でこの決定を確認した。
東証の審査結果
東証は、ACCESSが2025年6月30日に過年度の決算内容を訂正したことを受け、同年8月27日に同社を特別注意銘柄に指定していた。今回の決定は、指定から1年経過後に同社が提出した内部管理体制確認書を受けたもので、東証は同社が2026年1月30日に開示した改善計画に照らして内容を審査した。
東証の通知は2つの理由を挙げている。第一に、ACCESSは2026年8月に代表取締役およびCFOを含む経営陣を交代させたが、新体制の下でも改善計画の施策が継続されているかについて、十分な運用期間をもって確認するには至っていないとした。とりわけ、ネットワーク事業を担う海外子会社に対する管理強化を問題視しており、この施策はCFOの主体的な関与を前提としているものの、新CFOは就任から日が浅いと指摘した。
第二に、東証は同子会社の与信・債権管理に関し、改善計画に定められた一部施策の運用が十分に徹底されていない事例を確認した。また、ACCESS本体でも、関連当事者取引管理規程に基づく承認手続きなどにおいて複数の運用上の不備が認められた。
今後の手続き
東証は、今回の決定日が属する事業年度の末日である2027年1月31日から3カ月以内にACCESSが再提出しなければならない内部管理体制確認書を審査する。内部管理体制等が適切に整備・運用されていると認められ、かつ経過観察の必要もない場合は、特別注意銘柄の指定を解除する。内部管理体制等は認められるものの、事業の継続性および収益性が確保されていないか上場維持基準に適合しておらず、引き続き経過観察が必要な場合は指定を継続する。内部管理体制等が適切に整備・運用されていると認められない場合は上場廃止とする。
今回の指定継続は上場廃止の決定ではない。ACCESSは改善計画の実施スケジュールを見直し、2026年11月末をめどに具体的な対応策を公表するとしている。Tokyo Briefの過去の関連記事
東証の判断理由に関する記述は東証自身の通知に基づくもので、ACCESSの開示資料は全文を転載せず同通知の参照を促している。
