住友林業(1911)は11月5日、米国の住宅購入者の様子見姿勢が継続していることを理由に、2026年12月期の通期業績予想を下方修正した。同時に公表した第3四半期決算短信からは、Tri Pointe Homesの買収がグループ業績に与えた影響の大きさも浮き彫りになった。売上高が2割増加した一方、買収に伴い借入金も急増している。買収資金の調達に関する背景については、Tokyo Briefの過去記事を参照されたい。
業績予想の下方修正
第3四半期累計(1〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比21.1%増の1兆9800億円となった一方、営業利益は19.3%減の996億円、経常利益は39.7%減の772億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は43.6%減の397億円だった。
通期業績予想は、売上高が2兆7800億円(前回予想は2兆9500億円)、営業利益が1250億円(同1430億円)、経常利益が925億円(同1150億円)に引き下げられた。親会社株主に帰属する当期純利益は600億円(1株当たり97円85銭)で据え置き、年間配当予想も50円を維持した。
| 項目 | 前回予想 | 今回修正予想 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆9500億円 | 2兆7800億円 | -5.8% |
| 営業利益 | 1430億円 | 1250億円 | -12.6% |
| 経常利益 | 1150億円 | 925億円 | -19.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 600億円 | 600億円 | 据え置き |
同社は下方修正の理由として2点を挙げた。米国の戸建住宅事業では、住宅ローン金利の上昇と経済の先行き不透明感から購入者の様子見姿勢が続いており、販売戸数の減少と収益性の低下を織り込んだ。また、米国の不動産事業では売却物件数の減少を見込んでいる。
減益の要因
Tri Pointeを含む海外住宅事業は、同社の買収効果に加え、豪州の住宅市況が好調に推移したことから、売上高が前年同期比33.4%増の1兆1600億円となった。一方、経常利益は33.8%減の712億円だった。同社は減益要因として、買収関連費用の計上による販管費の増加や、購入者の様子見姿勢、インセンティブ付与による利益率の低下を挙げている。
不動産事業は経常損失が144億円(前年同期は85億円の損失)となり、赤字幅が拡大した。同社は一部のLP(リミテッド・パートナー)投資案件で評価損を計上したことや、米国および国内の開発物件の売却時期が計画より後ろ倒しになったことを挙げている。
買収が貸借対照表に与えた影響
総資産は2025年末比1兆100億円増の3兆5800億円となった。同社はTri Pointeの新規連結により棚卸資産やのれんが増加したためとしている。仕掛販売用不動産は2025年末の7566億円に対し1兆2900億円となった。のれんは355億円から1881億円に拡大し、同社によると増加額のうち1404億円がTri Pointeに関連するものだ。ただ、取得原価の配分が完了していないため、この金額は暫定値となっている。
負債は9641億円増の2兆4000億円となった。同社は買収に伴う短期借入金、長期借入金および社債の増加を要因に挙げている。短期借入金は1408億円から5090億円、固定負債の社債は503億円から3486億円、長期借入金は5322億円から7090億円にそれぞれ拡大した。第3四半期累計(1〜9月)の支払利息は前年同期の90億円に対し166億円となった。自己資本比率は39.0%から29.2%に低下した。
決算短信では、グループの増収額のうちTri Pointeの買収による寄与分は明示されておらず、同社は米国の住宅事業が下押し圧力を受けているとしている。四半期連結財務諸表に対する監査法人のレビューは実施されておらず、同社は業績予想について達成を約束する趣旨のものではなく、実際の業績は大きく異なる可能性があるとしている。
