トヨタ自動車(7203)は11月5日の取締役会で、実施中の自己株式取得枠の上限を従来の5億株・1兆円から6億1000万株・1兆3000億円に引き上げるとともに、取得方法として市場買付に加え自己株式の公開買付け(TOB)を追加した。取得期間は2026年8月5日から2027年8月4日までで変更はない。同社は9月30日までに6376万6500株を1950億円で取得している。本誌の過去のTokyo Brief記事がこの取得計画を取り上げている。
公開買付けの概要
今回のTOBは拡大後の取得枠の下で実施されるため、買付資金が上限の1兆3000億円に上乗せされるわけではない。買付価格は1株につき2725円で、過去1カ月間の終値平均である3030円を下回った11月4日終値(3028円)から10%ディスカウントした水準となる。買付期間は2026年11月6日から12月7日までで、決済開始日は12月29日。買付予定数は自己株式を除く発行済株式総数の0.92%に相当する1億875万741株、上限は1億875万841株で、応募がこれを超えた場合はあん分比例で買い付ける。買付資金は約2964億円で、手元資金を充当する。
応募予定の株主
トヨタ自動車によると、今回のTOBは損害保険各社が掲げる政策保有株式の縮減方針に対応したもので、市場で売却されれば株価の重荷になり得るという。応募の意向を示しているのは、三井住友海上火災保険(6072万9315株)、あいおいニッセイ同和損害保険(330万8326株)、東京海上日動火災保険(3829万8600株)、損害保険ジャパン(641万4500株)の4社で、最初の2社はMS&ADの子会社だ。トヨタ自動車によれば、損保各社は上記を上回る株数を応募する意向を示しており、応募が上限を超えた場合はあん分比例による調整が必要になる。開示資料によると、TOB後に残った株式の処分方針は未定だという。
自己株式の消却
トヨタ自動車は消却予定株数も従来の2億株から12億株に引き上げた。消却は同プログラムに基づく自己株式取得が完了した四半期の末日に予定されており、現時点では予定段階であって完了した措置ではない。
