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ヤマトホールディングス、営業収益予想230億円減額もコスト抑制で利益目標維持

ヤマトホールディングスは大口顧客の取扱数量低迷を受け、通期営業収益予想を230億円減の1兆8950億円に引き下げた。一方、中間期に営業損失を計上したものの、コスト適正化で減収分を補うとして営業利益420億円の目標は据え置いた。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年11月4日3分で読めるヤマトホールディングス9064
配送拠点で荷物が積まれたカゴ車と、横ばいに並ぶルートマーカーの脇で崩れ落ちる荷物の山

ヤマトホールディングス(9064)は11月4日、通期の営業収益予想を230億円引き下げて1兆8950億円とした一方、各利益予想はすべて据え置いた。オペレーティングコストの適正化で減収分を吸収するとしているが、同社の中間決算では、これまでのコスト抑制だけでは補いきれていない実態が示された。

業績予想の修正内容

2026年8月3日発表の前回予想は1兆9180億円で、下方修正幅は1.2%となる。営業利益は420億円、経常利益は420億円、親会社株主に帰属する当期純利益は160億円に据え置いた。1株当たり46円とする年間配当予想も変更はない。

2027年3月期の通期業績予想
前回予想は2026年8月3日発表、修正予想は2026年11月4日発表の決算短信による。
項目前回予想修正予想
営業収益1兆9180億円1兆8950億円
営業利益420億円420億円
経常利益420億円420億円
親会社株主に帰属する当期純利益160億円160億円

同社は営業収益予想を引き下げた理由として、上期の動向と、下期も大口法人顧客の取扱数量の伸び悩みが続くとの見通しの2点を挙げている。上期については、物価上昇下で個人消費の停滞が継続したこと、大口法人顧客の取扱数量が減少したこと、さらに地震や台風をはじめとする自然災害で物流需要が下押しされたことを要因とした。これらは同社の説明であり、経済情勢を独立して示す指標ではない。

中間期は計画未達

中間期の営業収益は予想の9200億円に対し9068億5000万円と、前年同期比で横ばいだった。営業損益は17億4900万円の赤字となり、収支均衡としていた予想を下回ったが、前年同期の37億8200万円の赤字からは改善した。経常損益は8億2600万円の赤字だった。親会社株主に帰属する中間純損益は、95億円の赤字予想に対し105億6000万円の赤字となった。

同社によると、コスト適正化の取り組みで前年同期比では損益が改善したものの、エネルギー・原材料のコスト上昇と取扱数量の減少による減収影響を補うには至らなかった。特別損失は104億9000万円で、このうち関係会社株式売却損が80億9000万円を占めた。決算短信にはこれとは別に、保有するヤマトクレジットファイナンスの全株式を譲渡し、連結範囲から除外したことが記載されている。

取扱数量は減少、価格適正化とコスト抑制が進展

主力の宅急便関連の取扱数量は3.9%減の9億1600万個となった。小型荷物向け配送商品は15.9%増の2億5100万個、メール便商品は9.1%減の4300万冊だった。エクスプレス事業の営業収益は0.6%減の7508億円、営業損失は6億5000万円縮小して161億円となった。

営業費用は19億5000万円減の9086億円となった。同社は、輸送領域におけるリアルタイムデータを活用した一元配車と、ラストマイル領域における集配体制の効率化を要因に挙げている。また、大口法人顧客に対するプライシングの適正化も挙げた。業績予想修正の開示資料では、下期も同じ施策、すなわちデータを活用した輸送オペレーションの効率化とラストマイル領域の集配体制の効率化を挙げており、これらによって減収分を相殺し、期首に計画した利益水準を確保するとしている。

利益率改善の成否

通期の営業利益目標420億円は前期実績の283億円から拡大する水準で、同社の予想表では48.4%増となっている。上期に営業損失を計上した中での目標となる。業績予想の開示資料は、予想が同社が現在入手している情報と合理的と判断する前提に基づいており、実際の業績は予想と異なる可能性があると付記している。また、決算短信が監査人によるレビューを受けていないことも同資料自体に明記されている。