セイコーエプソン(6724)の中間決算短信によると、同社は9月までの6カ月間に、承認された米国関税の還付金173億円を売上原価の減額として計上した。米連邦最高裁判所が国際緊急経済権限法に基づき賦課された関税を無効とし、米税関・国境警備局が6月29日にCAPEシステム(Phase2)を通じた還付申請の処理を開始したという。一部の米国子会社が申請を行い、同期間中に審査が完了した。
セイコーエプソンは事業利益を売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を控除した額と定義しており、還付金はそのまま事業利益を押し上げる。決算説明資料によると、7〜9月期の事業利益は前年同期の177億円に対し450億円となり、このうち還付金の寄与は173億円だった。上半期の事業利益は672億円だった。決算短信は計上額を記載しているが、現金の入金時期は示していない。
事業利益予想を据え置いた理由
通期の売上収益予想(1兆5100億円)と事業利益予想(1050億円)は据え置いた。営業利益予想は1010億円から1030億円に、当期利益予想は690億円から720億円にそれぞれ引き上げた。エプソンの決算説明資料によると、部材費や原油価格の上昇を追加で織り込む一方、新たに申請可能となったPhase3の還付金も予想に織り込んだため、事業利益段階ではこれらが相殺される。当期利益の上方修正は、事業利益の下に位置するその他の営業収益に海外工場の売却益を見込んだことを反映したという。決算短信と説明資料はいずれも、売却益の規模やPhase3の金額を明記していない。
需要拡大を示すものではない
決算説明資料は、インダストリアル&ロボティクス、オフィス・ホームプリンティング、ビジュアル&ライフスタイルの各セグメントにおける四半期増益の要因として関税還付を挙げている。プレシジョンイノベーションの増益は数量増によるもので、通期のセグメント利益予想を550億円から610億円に引き上げた。オフィス・ホームプリンティングは部材調達難を受け、580億円から540億円に引き下げた。
