警察庁は2026年11月9日から、銀行との詐欺に関する情報共有型連携の全国一元運用を開始する。47都道府県警察から被害金が振り込まれた口座の情報を集約し、協定を締結した金融機関に提供する。組織犯罪対策第二課が11月5日に発表した。
変更点
この枠組みは2024年10月に埼玉県警察が開始し、全国の警察に拡充された。これまでは各都道府県警察と地方銀行などの間で運用されてきた。
警察庁は今回、2つの点を追加する。都市銀行などと新たに直接協定を締結するほか、不正利用口座情報を自ら集約し、協定を結んだすべての銀行に一元的に提供する。[過去のTokyo Brief関連記事リンクのプレースホルダー]
情報共有の流れ
まず警察が、被害者からの相談や申告に基づき、被害金が振り込まれた口座と定義される不正利用口座を把握し、その口座情報を銀行に提供する。銀行は自行内の振込データを確認して該当口座に送金している顧客を特定し、潜在被害者としてその詳細を警察に提供する。その後、警察が当該顧客に接触する。
警察庁は、これにより銀行の通常のモニタリングと比べて、警察がより迅速かつ確実に潜在被害者を発見し、被害の拡大を防げるとしている。これは同庁自身の評価であり、発表資料にはそれを検証するための検出実績は示されていない。
背景にある被害額
2025年の特殊詐欺被害額は3257億4000万円と過去最悪を記録した。今年8月末時点では前年同期比約33%増の約2361億円に達している。警察庁は、このまま推移すれば通年で2025年を上回るとしている。
被害金の交付形態別では、振込型が全体の56.9%を占めた。警察庁は、預貯金口座が依然として被害金移転の主要なツールであるとし、警察と銀行の一層の連携強化が急務だとしている。
参加金融機関
警察庁と協定を締結するのは都市銀行やインターネット専業銀行など計30金融機関で、締結日はすべて11月5日となっている。別添の一覧には信託銀行のほか、PayPay銀行などのネット銀行が含まれる。警察庁によると、協定を締結する金融機関もこの枠組みについて広報を行う。
発表資料が示すのは警察と各金融機関との協定であり、法的な義務については触れられておらず、口座凍結に関する言及もない。また、新たな全国一元の情報提供が、都道府県警察と地方銀行との既存の枠組みとどう位置付けられるかも示されていない。
