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政策ウォッチ

原子力規制委、申請の自己確認を事業者に義務付けへ 虚偽には罰則

原子力規制委員会の見直し概要案は、原子力事業者に基準適合性の自己確認と設計資料の保存を義務付け、虚偽の申請・届出に罰則を科すほか、30日前届出制度を廃止する。意見公募は11月27日まで。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月29日3分で読める
原子炉格納容器のドーム模型の横にある検査ゲートを通過する、封印された設計資料バインダーのイラスト。

原子力規制委員会は、原子力事業者に対し、申請内容が規制基準に適合していることの自己確認や設計に関する重要資料の保存を求め、虚偽の申請・届出に罰則を科す見直し概要案について意見公募(パブリックコメント)を開始した。10月28日の第39回会合で実施を了承した。募集期間は10月29日から11月27日までの30日間。概要案は行政手続法に基づく命令等には当たらないが、規制委は規制制度見直しの基本的な考え方に係るものとして、任意の意見公募を実施するとしている。

自己確認と虚偽申請

概要案では、事業の指定や原子炉設置許可、核燃料物質の使用許可、設計及び工事の計画の認可を申請・届出する際、該当する基準への適合性を事業者自ら確認し、設計に関する重要資料を保存することを義務付ける。保存対象となる資料は規制委規則で定め、適合性確認の体制や実施状況を審査・検査で確認する。資料や申請・届出書類に虚偽があった場合は罰則の対象とする。罰則の具体的な水準や内容は明記していない。

概要案は今回の見直しを基準地震動策定を巡る不正事案と結びつけている。これまでの報告徴収命令や検査を通じ、不適切な手法で対象を選定して基準地震動を策定していたことや、虚偽の説明資料・バックデータを作成し、審査会合で虚偽の説明を行っていたことを確認したとしている。Tokyo Briefの過去の記事で同問題を詳報している。

許認可手続の見直し

概要案では、発電用原子炉における許可事項の変更や設計及び工事の計画の届出に適用されている現行の30日間の事前届出審査制度を廃止する。審査が必要な変更は許認可の対象とし、規制委規則で定める軽微な変更は事後届出とする。軽微な変更の例として、使用済燃料貯蔵キャスクの共用化を挙げている。

このほかの主な見直し項目は以下の通り。

  • 発電用原子炉および試験研究用等原子炉の事業者は、設置許可の申請前に、自然現象設計条件が許可基準に適合しているかどうかについて、あらかじめ規制委に確認を求めることができるようにする。施設自体の設計は従来通り通常の審査で確認する。
  • 発電用原子炉施設、再処理施設、加工施設において、新知見により即時対応が必要となる工事は、認可を経ずに着手し、遅滞なく届け出ることを認める。
  • 現在電気事業法の下にある原子力発電工作物の保安規制のうち、原子炉等規制法と重複する原子力安全規制を原子炉等規制法に一本化する。これには電気主任技術者およびボイラー・タービン主任技術者の選任義務などが含まれる。概要案によると、経済産業省と調整を進めている。

核物質防護と保障措置

核物質防護規定と、現行の計量管理規定を改めた新たな保障措置規定については、施設の設置工事に着手する前の認可を義務付ける。また、事業者に保障措置責任者の選任を求める。規制委は是正措置や規定の変更、責任者の解任を命じることができ、命令に違反した場合は許可を取り消すことができるようにする。

概要案はまた、保障措置業務における指定機関制度を廃止し、同業務を担う公的機関を新設するとしている。独立行政法人の設立を検討中だ。理由として、六ヶ所再処理施設の本格運転開始が近づいていることや、国際原子力機関(IAEA)の査察に対応する必要性を挙げている。

移行時期

概要案によると、資料の保存や保障措置規定への移行、新たな国内保障措置体制での検査の受け入れなどについては、制度見直しが確実になった時点から事業者に少なくとも約1年半の準備期間が必要になるとしており、試運用期間や移行期間の設定も検討する。意見公募の終了後、規制委は見直し概要を改めて委員会に諮って決定し、制度改正案の策定作業に入る。