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武田薬品工業が通期利益予想を上方修正、恒常為替のCore EPSは1.2%減

武田薬品工業の4〜9月期中間利益は実効税率4.1%を背景に171.6%増となり通期利益予想も上方修正したが、恒常為替レートベースのCore営業利益は0.7%増にとどまった

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月29日3分で読める武田薬品工業4502
表面上の成長率と恒常為替レートベースの成長率の差を示す、高さの異なる2本の棒グラフの横に並ぶ充填ライン上の医薬品バイアル。

武田薬品工業(4502)が発表した2026年4〜9月期の連結決算は、中間利益が前年同期の1126億円から171.6%増の3057億円となった。あわせて2027年3月期の通期業績予想を上方修正した。大幅増益は円安、税金費用の大幅減少、前年同期に計上した減損損失の剥落という3要因によるもので、為替影響を除いた中核の事業実績はほぼ横ばいだった。

増収は円安が牽引

売上収益は実勢レートベースでは8.4%増の2兆4070億円となったが、当期の業績を前年の為替レートで換算した恒常為替レートベースでは1.0%減となった。同社は増収の主因を円安としている。為替影響を除いたCore売上収益は微減となったとしており、既存主力製品がほぼ横ばいで推移し新製品が伸長したものの、独占販売期間満了の影響を受けた製品と成熟製品の落ち込みがこれらを上回った。新製品は恒常為替レートベースで17.3%増加し、Core売上収益の4%を占めた。

武田薬品工業の4〜9月期業績の概要
2026年4〜9月期と前年同期の比較。Core指標は同社定義の非IFRS指標。恒常為替レートベースの増減率は当期の業績を前年の為替レートで換算したもの。
指標2026年4〜9月期増減率(実勢レート)増減率(恒常為替レート)
売上収益2兆4070億円+8.4%-1.0%
営業利益4067億円+60.4%+45.0%
中間利益3057億円+171.6%+148.7%
Core営業利益7106億円+11.2%+0.7%
Core EPS¥308+10.5%-1.2%

表面上の利益を押し上げた要因

営業利益は60.4%増の4067億円(恒常為替レートベースでは45.0%増)だった。製品に係る無形資産償却費及び減損損失が3368億円から2185億円に減少したことが寄与した。前年同期には、関連する研究の中止決定に伴い、ガンマ・デルタT細胞療法プラットフォームおよび関連するオンコロジーのプログラムに係る減損損失582億円を計上していた。一方、トランスフォーメーション・プログラムに基づく事業構造再編費用が524億円増加したことで、その他の営業費用は増加した。

税引前中間利益は78.2%増の3187億円で、中間利益の伸び率(171.6%増)との差の大部分は税金によるものだ。法人所得税費用は130億円に減少し、実効税率は前年同期の37.1%から4.1%に低下した。同社は要因として、繰延税金資産の回収可能性の見直しと、子会社の資本再編に伴う税務上の損失に係る繰延税務便益の計上を挙げている。

Core指標の動きは小幅

無形資産償却費や減損損失、その他の営業項目を控除した同社定義の非IFRS指標であるCore営業利益は、実勢レートベースで11.2%増の7106億円となったが、恒常為替レートベースでは0.7%増にとどまった。1株当たりCore中間利益(Core EPS)は308円で、実勢レートベースでは10.5%増だったが、恒常為替レートベースでは1.2%減となった。同社によると、これらのCore指標は経営陣のインセンティブ報酬の目標に連動している。

通期予想の上方修正

同社は2026年5月13日に公表した通期業績予想を上方修正した。売上収益は従来の4兆6400億円から4兆7000億円へ引き上げ、増額は為替影響によるものとしている。営業利益は4200億円から4530億円に、親会社の所有者に帰属する当期利益は1660億円から2090億円にそれぞれ引き上げた。Core営業利益は1兆1600億円から1兆1900億円、Core EPSは472円から482円に修正した。新たな前提為替レートは1ドル=158円(従来は156円)。実効税率は主に繰延税金資産の見直しにより低下し、約23%を見込む。

恒常為替レートベースのマネジメントガイダンスは減益幅が縮小した。Core売上収益は引き続き1桁台前半%の減少を見込む一方、Core営業利益は従来の5〜8%減から1桁台半ば%の減少に、Core EPSは10%台半ばの減少から10%台前半の減少にそれぞれ見直した。

中間配当は1株当たり102円(支払開始予定日は2026年12月1日)とし、年間配当予想の204円は据え置いた。同社は、業績予想は実現を約束するものではなく見込みであり、為替変動により実際の業績が変動する可能性があるとしている。