電力広域的運営推進機関(OCCTO)によると、今夏は4エリアで電力需要が厳気象時の想定を上回った。一方、冬季の需給見通しでは全エリアで予備率3%以上を確保できるとしている。2026年10月付の電力需給検証報告書で明らかにした。
夏季:西日本で想定を上回る猛暑
今夏の全国最大需要は7月22日14〜15時に発生し、1億6422万kW、予備率は6.9%だった。最大需要は昨年度を上回り、過去5年間で2番目の水準となった。太陽光発電の出力が減少する同日16〜17時の予備率は5.6%に低下した。5月時点の見通しを5.3ポイント下回り、供給力は同見通しに比べ1432万kW減少した。
最大需要時の10エリア合計の供給力は、5月時点の見通しを1847万kW下回った。同見通しの供給力は計画外停止を考慮していない。計画外停止率は最大需要発生日で供給力の2.5%、7〜8月の平均で2.1%だった。需給検証では2.6%を想定していた。
中部、中国、四国、九州の4エリアでは、いずれも夏季の厳気象H1需要想定を上回った。中部は想定の2503万kWに対し、7月22日に2571万kWでピークに達した。九州は想定の1675万kWに対し、8月3日に1709万kWとなった。中国(1080万kW)と四国(502万kW)も8月3日に想定を超えた。需要が厳気象時の想定を上回ったのは計15日間で、うち14日間が中部から九州にかけてのエリア、7日間が中国エリアだった。
北陸エリアでは、エリア最大需要時の予備率が3%を下回ったが、同時刻の全国予備率は6.9%だった。広域機関は、来夏の需給検証に向け、4エリアの一般送配電事業者と連携して今夏の実績を需要想定に反映させる方針だ。
冬季:1月が最も厳しい見通し
広域機関は、過去10年間で最も厳しかった年度並みの気象条件において、最大需要時および夕刻から夜間にかけての最小予備率時に、需要の103%以上の供給力を確保できるかを検証している。発動指令電源や火力増出力運転、エリア間融通を織り込むことで、全エリアが最低限必要な予備率3%を上回る。10エリア合計の予備率が最も低くなるのは1月前半だ。この時期の最大需要時の予備率は、沖縄を除く9エリアのうち7エリアで4.5%となる一方、北海道は12.5%、四国は14.4%となっている。
| 期間 | 最大需要時の予備率(%) | 最小予備率時の予備率(%) |
|---|---|---|
| 12月前半 | 7.5 | 7.3 |
| 12月後半 | 12.6 | 12.1 |
| 1月前半 | 5.3 | 5.2 |
| 1月後半 | 6.6 | 6.9 |
| 2月前半 | 7.3 | 7.1 |
| 2月後半 | 8.0 | 7.5 |
| 3月前半 | 9.3 | 9.7 |
| 3月後半 | 10.7 | 10.6 |
北海道の連系線制約
同機関は大規模な電源脱落リスクも検証した。1月後半に、過去10年間で北海道エリア最大の電源停止実績にあたる129万kWの脱落が発生した場合でも、厳寒時の需要に対して5.6%の予備率を確保できる見通しだ。これには北本連系設備を介した他エリアからの受電や通告調整契約の発動を織り込んでいる。今冬の北本連系設備は、新北本第2極増設に伴う工事のため、運用容量が90万kWから60万kWに低下する。同機関は、国や一般送配電事業者と連携して安定供給の維持に努めるとしている。
冬季の数値は見通しであり、同機関は実需給断面では発電機の計画外停止などによる供給力変化の可能性もあると指摘する。広域予備率が8%を下回った場合には、週間計画や翌々日段階から供給力提供通知を実施するほか、冬季を通じてkW・kWhの両面から需給状況を監視する方針だ。需給逼迫の可能性がある場合には、SNSを通じて周知する準備も進めている。
