野村総合研究所(4307)は10月29日、AIを前提とした既存システムのモダナイゼーションやデジタルセキュリティの需要を理由に、2027年3月期の通期業績予想を上方修正した。売上収益予想は従来の8500億円から8700億円に、営業利益予想は1750億円から1800億円に引き上げた。親会社の所有者に帰属する当期利益予想は1190億円から1230億円とした。
NRIが挙げる受注の牽引役
同社が挙げた修正理由は簡潔だ。AIを前提としたモダナイゼーションやデジタルセキュリティを中心に情報システム投資需要が拡大し、業績も堅調に推移しているため、足元の受注状況を踏まえて予想を見直したとしている。これらはNRI自身の需要認識であり、日本全体のIT支出を示す指標ではない。
中間期実績が示す傾向
9月までの6カ月間(中間期)は、売上収益が8.3%増の4299億円、営業利益が12.0%増の883億円だった。IT基盤サービスセグメントは売上収益が11.8%増の1192億円、営業利益が17.8%増となり、同社はデジタルセキュリティ事業とデジタルワークプレイス事業を要因に挙げた。金融ITソリューションは良好な受注環境や運用サービスの増加が寄与したとして、営業利益が17.7%増の423億円となった。
例外はコンサルティングだ。一部案件の縮小で稼働率が低下し、営業利益は6.8%減となった。NRIはコンサルティングの通期売上収益予想を700億円から660億円に引き下げた。
懸念材料と配当
NRIはまた、物価や国内金利の上昇、中東情勢、自然災害の影響により、景気や企業業績が悪化すれば企業の投資が抑制される可能性があると警戒感を示している。
配当の動きは副次的だ。期末配当予想を1株当たり4円増額の46円とし、年間配当予想を88円に引き上げた。連結配当性向は約40%を目安とする同社の基準に対し、40.1%となる計算だ。
