ニデック(6594)は旧役員に対する損害賠償請求訴訟の提起を決めたが、まだ提訴には至っていないとしている。2026年10月27日付の適時開示で、各人に対する請求額などを固め、訴訟提起の準備が整い次第、提訴する予定だと説明した。提訴した際には速やかに開示するとしている。
この決定は、ニデックが10月16日に受領したとする役員責任調査委員会の調査報告書を受けたものだ。同社は同報告書に基づき現旧役員に対する提訴の要否を検討した結果、旧役員のみについて責任を追及することとした。同報告書に関する同社の前回の開示については、Tokyo Briefの過去の記事で報じている。
請求対象と法的根拠
開示資料は以下の3つの対象区分を挙げている。
- 旧取締役6人については、会社に対する役員等の損害賠償責任を定めた会社法423条1項に基づき請求する。
- 旧監査役2人についても同条項に基づき請求する。うち1人は10月16日付で執行役員(最高法務責任者)を辞任している。
- 2022年5月から2026年3月までニデックの最高財務責任者(CFO)を務めた旧執行役員1人については、民法644条および415条1項、または同社の執行役員規程に基づき請求する。
ニデックはまた、役員責任調査委員会の委員および補助者を務めた弁護士3人に訴訟代理人を委任することも併せて決定したとしている。
今後の未確定事項
開示資料には請求額が記載されておらず、ニデックは今後、各人に対する請求額などを検討するとしている。今回の開示は提訴の決定を伝えるもので、実際の提訴ではない。
もう一つの論点は判断が先送りされた。調査委員会の報告書では、剰余金処分が調査対象外とされた。報告書提出までに過年度の訂正有価証券報告書が提出されておらず、調査対象とすべき過去の分配可能額が不確定な状況にあったため、同報告書で取り扱うことは困難とされた。
ニデックはこの責任について、過年度の計算書類の訂正が完了した後に提訴など必要な法的措置を検討し、速やかに対応するとしている。開示資料には訂正完了の時期は示されていない。このため、この部分の手続きは決算訂正が前提となる一方、すでに決定した損害賠償請求訴訟は請求額が固まり次第進められる。
