北興化学工業(4992)は、岡山工場からのベンゼンを含む排水の流出事案による当期の費用を3億円程度と見込み、特別損失として計上する。通期の業績予想は変更しない。これとは別に、今後2年程度をかけて5億円程度の排水構造の改修を計画しており、今回の特別損失には含まれない。
3億円の特別損失
同社の開示資料によると、費用は「3億円程度(対策引当金の計上を含む)」と予想されている。対象は排水設備の修繕費用、土壌・水質の調査・分析費用、地下水汚染の拡散防止対策費用。北興化学工業は2026年11月期の通期連結決算で特別損失として計上する予定だ。この見積もりは、同社が現在入手している情報と合理的と判断する一定の前提に基づいている。
| 項目 | 金額 | 会計処理 |
|---|---|---|
| 対応費用(修繕、調査、地下水汚染の拡散防止) | 3億円程度 | 2026年11月期に特別損失として計上(対策引当金の計上を含む) |
| 排水構造の改良・再配置 | 5億円程度 | 来期以降に固定資産計上。今後2年程度。特別損失の対象外 |
通期予想を据え置く理由
業績予想を据え置く背景には、すでに計上済みの利益がある。北興化学工業は第3四半期連結累計期間に、特別利益として投資有価証券売却益2億3700万円を計上した。同社はこの売却益などを理由に、今回の特別損失による業績予想の修正はないとしている。2026年1月13日に公表した現行の通期予想は、売上高520億円、営業利益52億円、経常利益61億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億6000万円(1株当たり173円00銭)。今後、修正が必要になった場合は速やかに公表するとしている。
5億円の排水構造改修
再発防止に向け、北興化学工業は今後2年程度で岡山工場内の排水構造の改良・再配置を進める計画だ。この設備投資額を5億円程度と見込み、来期以降に固定資産として計上する予定としている。同社はこの金額を3億円の特別損失には含めていないと説明している。両者は対象となる工事も計上時期も異なるため、当期の費用として合算すべきではない。
未確定の事項
今回の開示は費用の見積もりであり、事案の終結宣言ではない。北興化学工業は近隣住民や漁業関係者、行政機関に謝罪した上で、事案の概要については10月23日付の第3報を参照するよう案内している。今回の発表では、最終的な汚染範囲や健康への影響に関する調査結果、行政処分については触れられていない。Tokyo Briefの関連記事
