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稲畑産業、マスクブランクスメーカー株65%をアルバックから49億円で取得へ

稲畑産業はマスクブランクスメーカーの株式65%をアルバックから49億円で取得し、保有比率を35%から100%に引き上げることを決めた。株式譲渡は12月18日の予定。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月27日2分で読める稲畑産業8098アルバック6728
石英基板の横に置かれた検査ステージ上のガラス製マスクブランクスと、出資比率が完全所有へ引き上げられる様子を示す簡潔な棒グラフ。

東証上場の商社である稲畑産業(8098)は、マスクブランクスメーカーの株式65%をアルバック(6728)から49億円で取得し、保有比率を35%から100%に引き上げることを決めた。これまで持分法適用関連会社だった同社を完全子会社化する。

取得対象の概要

稲畑産業は31万4600株を取得し、取得後の所有株式数は48万4000株となる。マスクブランクスは半導体およびフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に用いる基幹材料で、対象会社は両市場向けに製造するほか、石英基板の加工も手がける。稲畑産業によると、素材のガラス加工からマスクブランクス完成品まで一貫生産できる世界に数社しかない企業の1社だという。

台湾と中国・合肥の海外子会社2社および国内子会社1社も、稲畑産業の完全子会社となる。

業績数値

このマスクブランクスメーカーの2026年6月期の単体業績は、売上高が89億2000万円、営業利益が10億7600万円、純利益が10億1000万円だった。同社とその子会社は連結財務諸表を作成していない。4社の単体業績の単純合算では、売上高が154億5000万円、営業利益が22億3100万円、純利益が18億7600万円となる。これらは単純合算の数値であり、連結業績ではない。

双方が挙げる取引の狙い

稲畑産業は、今回の買収は半導体・電子部品関連ビジネスを積極投資の対象に掲げる現行の中期経営計画に沿ったものだとしている。半導体関連の顧客に注力するとともに、日本・中国・台湾の生産拠点を通じてディスプレイ向けの収益拡大を図る方針だ。

アルバックは、今回の売却は半導体・電子分野へ事業ポートフォリオを転換する2025年8月公表の「Value Up Plan」に沿うものだと説明している。対象事業には継続的な設備投資が必要であり、稲畑産業の顧客基盤や販売網、調達機能が価値向上につながるとしている。アルバックは2027年6月期の連結業績への影響は軽微と見込んでいる。

今後の日程

契約締結は10月30日、株式譲渡は12月18日の予定で、いずれも未了となっている。稲畑産業は、連結業績および財政状況への影響を現在精査中としている。