いちごオフィスリート投資法人(東証:8975)は、2027年4月期(6カ月間)の1口当たり分配金予想を、6月時点の2010円から176.2%増の5552円へ引き上げた。引き上げの要因は賃料の上昇ではなく、一時的な売却益だ。
売却対象物件
同投資法人の資産運用会社は10月27日、東京都心の中規模オフィスビル5物件の売却を決めた。鑑定評価額の合計138億8000万円に対し、譲渡予定価格の合計は190億円となる。発表によれば、売却価格は想定帳簿価格の2.2倍、直近鑑定評価額の1.4倍にあたる。売却先はそれぞれ異なる国内の一般事業会社2社で、いずれも社名は非開示。各社とも契約締結時に売却価格の10%を手付金として支払い、2026年11月27日に予定される引き渡し時に残代金を決済する。
同投資法人は売却理由について、うち3物件が築30年以上経過しており修繕費や資本的支出の増加が見込まれること、また1物件は土地の58.8%、別の1物件は土地のすべてが借地であり借地料の上昇が想定されることを挙げている。
譲渡益から分配金へ
同投資法人は、想定帳簿価格や媒介手数料、諸費用を差し引いた譲渡益として約79億3000万円を見込む。特定の資産の買換えに関する課税特例を活用して25億2000万円を買換特例圧縮積立金として、1億100万円を配当積立金として内部留保する予定だ。発表によると、53億900万円が投資主に還元される。
修正予想では、未処分利益のうち83億9400万円を151万1926口に分配する。営業収益予想は従来の82億6000万円から156億4000万円へ、当期純利益予想は29億7000万円から109億1000万円へと引き上げた。
同予想は、10月28日に売却する別の1物件および今回の5物件を除き、2027年4月30日まで物件の異動がないことを前提としている。同投資法人はこれらの数値を予想とし、分配金の額を保証するものではないとしている。譲渡益は見込みであり未計上で、最終的な売却費用によって変動する。
