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キオクシア、中間純利益2.2兆円 データセンター向け単価急騰

キオクシアの4〜9月期純利益はデータセンター向け単価の上昇が牽引し、前年同期の589億円から2兆2000億円に達した。一方、8000億円の自社株買いを実施し、米特許訴訟の判決を受け360億円の引当金を計上した。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年11月6日3分で読めるキオクシアホールディングス285A
データセンターのラックに収められたエンタープライズ向けSSDモジュールと、積層されたシリコンウエハー、上昇を描く抽象的な曲線

キオクシアホールディングス(285A)の2026年9月中間期の親会社の所有者に帰属する中間利益は2兆2000億円となり、前年同期の589億円から拡大した。売上収益は4兆2500億円で、2026年3月期通期の2兆3400億円を上回った。同社が11月6日に提出した半期報告書で明らかになった。

単価と出荷量、円

キオクシアホールディングスは大幅増収の要因として、生成AI用途を中心とするデータセンター向け顧客の旺盛な需要を挙げる。平均販売単価の大幅な上昇や記憶容量ベースの出荷量増加、為替の円安推移が寄与したとしており、期中の対ドル平均レートは1ドル=160円と、前年同期の146円から円安が進んだ。

アプリケーション別の内訳をみると収益源が鮮明になる。主にPCやデータセンター、エンタープライズ向け製品を含む「SSD & ストレージ」の売上収益は、前年同期の4620億円から2兆7900億円に拡大した。「スマートデバイス」は2363億円から1兆3100億円に増えた。報告書によると、スマートフォンやPC向け需要が鈍化する一方、AIサーバー向け需要がデータセンターおよびエンタープライズ向け製品を押し上げている。単価と出荷量の個別の数値は開示していない。

キオクシアの中間決算概要
IFRS、9月30日までの6カ月間。出所:キオクシアの半期報告書(百万円単位の数値を表示用に端数処理)。
項目2026年4〜9月2025年4〜9月
売上収益4兆2500億円7911億円
SSD & ストレージ売上収益2兆7900億円4620億円
スマートデバイス売上収益1兆3100億円2363億円
営業利益3兆2600億円1308億円
税引前中間利益3兆2000億円840億円
親会社の所有者に帰属する中間利益2兆2000億円589億円

利益を押し下げた要因

営業利益は3兆2600億円だった。買収に伴う取得原価の配分(PPA)影響額や株式報酬費用、訴訟損失引当金繰入額を除いた同社独自のNon-GAAP営業利益は3兆3100億円となった。同社によると、Non-GAAP指標は監査や期中レビューの対象外となっている。

訴訟関連は、2026年7月に米国でのViasatとの特許侵害訴訟で2億2900万ドルの損害賠償を命じる判決が下されたものだ。キオクシアは不服申し立てを行ったが、支払いの可能性が高いと判断して360億円の引当金を計上した。経営者による分析の比較表では調整額を366億円としている。最終的な結果や支払時期は不確実だという。また、利益の押し下げ要因として従業員への特別利益分配金の計上や株式報酬費用の増加も挙げた。PwC Japan有限責任監査法人の期中レビューでは、財務諸表に重要な虚偽表示を示唆する事項は認められなかった。

資金の使途

営業キャッシュ・フローは、債権の増加による1兆100億円の資金流出要因があったものの、2兆3800億円のプラスとなった。未払法人所得税は8702億円増加した。期中に8000億円の自己株式取得と5231億円の長期借入金返済を実施し、財務キャッシュ・フローは1兆2600億円の支出となった。親会社の所有者に帰属する持分は2兆9300億円に達し、親会社所有者帰属持分比率は2026年3月末の37.9%から49.8%に上昇した。3月末時点で存在していた財務制限条項は解消された。

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設備投資とそれに伴うリスク

上期の設備投資額は支払ベースで1370億円だった。2027年3月期通期では約4700億円を計画しており、前回の有価証券報告書時点の約4500億円から引き上げた。投資キャッシュ・フローにはNanya Technologyの株式取得に伴う782億円の支出が含まれる。報告書ではまた、政府支援を前提に2032年までにSandiskと共同で約5兆円を投資する2026年8月の計画にも触れている。

経営陣はリスク要因として、フラッシュメモリ需要の成長が予測を下回る可能性やデータセンター向け製品のシェア伸び悩み、競合の増産や顧客との交渉による単価の伸び悩みを挙げる。固定費の割合が高いため、小幅な減収でも営業利益やキャッシュ・フローへの影響が相対的に大きくなるとしている。また、ベインキャピタルが投資助言を行うファンドが14.53%、東芝が12.43%の株式を保有しており、いずれかの売却が株価の重荷となり得る点も指摘している。

期末後の2026年10月1日付で1株につき3株の株式分割を実施しており、1株当たり利益は分割後の基準で遡及修正されている。基本的1株当たり中間利益は1349円33銭だった。取締役会は10月30日、分割前1株当たり90円、総額479億円の中間配当を決議した。効力発生日は2026年12月8日。