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アドバンテスト、営業益予想を9670億円に上方修正 自社株買い上限2800億円も設定

アドバンテストはAI関連のテスタ需要を背景に2027年3月期の営業利益予想を9670億円に上方修正するとともに、中間配当を49円に引き上げ、2027年3月24日までを期間とする上限2800億円の自己株式取得枠を設定した

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月28日3分で読めるアドバンテスト6857
工場のフロアに並ぶ半導体テスタの筐体とチップトレイ、そこから株券の束へと流れる抽象的な帳簿の線。

アドバンテスト(6857)は、AI関連の半導体テスタ需要を追い風に上期売上高が前年同期比60.5%増の8452億円に達したことを受け、2027年3月期の営業利益予想を7月時点の8460億円から9670億円に上方修正した。取締役会は同日、中間配当を49円とすることと、上限2800億円の自己株式取得も決議した。

上期決算の内容

2026年9月30日までの6カ月間の営業利益は前年同期比96.5%増の4568億円、中間利益は同116.8%増の3681億円だった。アドバンテストによると、売上高、営業利益、税引前中間利益、中間利益はいずれも上期として過去最高を更新した。AI関連半導体の生産数量増加や半導体の複雑化、売上ミックスの良化に加え、為替が1ドル=平均160円と前年同期の146円から円安に振れたことも寄与したとしている。

税引前中間利益5102億円には、投資有価証券の評価益を主因とする金融収益約570億円が含まれる。決算短信によると、このうち542億円は戦略投資に関連する金融商品の評価益であり、営業利益には含まれない。

テストシステム事業の売上高は7702億円だった。同社はAI関連のSoCテスタや、メモリ分野でのDRAM向けおよび不揮発性メモリ向けテスタの伸びを挙げている。

通期業績予想の修正

2027年3月期の通期業績予想
単位は営業利益率を除き10億円。2026年10月28日の決算説明会資料における7月時点予想と修正後予想の比較。
項目7月時点予想修正後予想
売上高1,714.01,863.0
営業利益846.0967.0
営業利益率49.4%51.9%
当期利益660.0741.5

下期の営業利益率は7月時点の予想を約3ポイント上回り、50%を超える見通しだ。アドバンテストは、部材コストの上昇を織り込んでいるものの、SoCテスタの売上拡大と製品ミックスの改善が利益率を押し上げるとしている。

上期の平均為替レートが1ドル=160円だったのに対し、下期の前提レートは1ドル=150円としている。アドバンテストは通期営業利益の為替感応度について、対ドルで1円の円安につき58億円の押し上げ要因になると試算している。

アドバンテストは暦年2026年のテスタ市場規模予想を7月時点から据え置き、SoCテスタは予想レンジの上限近辺、メモリテスタは中央値近辺になるとしている。地政学的リスクやマクロ経済要因を除けば、2027年も供給制約が続くと見込む。SoCテスタの年間生産能力は5000台超を達成済みで、1万台の目標についても当初計画から大幅な前倒しでの達成を目指すとしている。中東情勢による直接的な影響はこれまでのところ限定的とみているが、物流費など一部コストの増加を見込んでいる。

株主還元策の内容

1株当たり49円の中間配当は、前年同期の29円から増配となる。配当金総額は354億円で、効力発生日は2026年12月1日。アドバンテストは7月時点の配当予想で中間配当額を未定としており、今回の開示でも当期の期末配当予想は未定としている。株主還元方針では、第3期中期経営計画の3年間累計で総還元性向(配当額と自己株式取得額の合計を連結当期利益で割った比率)50%以上を目途とし、年間配当の下限を1株当たり30円としている。

自己株式取得は1100万株(9月30日時点の自己株式を除く発行済株式総数の1.5%)、総額2800億円をそれぞれ上限とする。取得期間は2026年10月29日から2027年3月24日までで、東京証券取引所で買い付ける。株数・金額はいずれも上限であり、取得実績ではない。同社は業績予想と手元資金の状況を勘案したとしており、成長投資機会が生じた場合や市場環境が悪化した場合には還元水準が変動する可能性があるとしている。今回報告した上期には自己株式取得に約1059億円を投じた。経緯についてはTokyo Briefの過去記事を参照。

今回の配当に伴い、アドバンテストの2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の条件も調整される。社債要項の調整条項に基づき、転換価額は3万6000円00銭から3万5946円50銭に変更され、2026年10月1日から適用される。

第2四半期(中間期)決算短信は監査法人のレビュー対象外。アドバンテストは2026年11月13日に半期報告書を提出する予定だ。