さくらインターネット(3778)は、2027年3月期上期の営業利益が29億6000万円と7月公表の自社予想を34.7%上回ったことを受け、通期の営業利益予想を64.0%上方修正し41億円とした。GPUの提供単価改善やフル稼働に迫る稼働状況、グループ会社での大口案件獲得を要因に挙げている。また、8月の不正アクセス事案を受けて広告・イベント施策や採用計画を見直したことも上期利益を押し上げたとしている。
修正予想の内容
修正後の通期連結業績予想は、売上高が7月予想比2.4%増、前期比32.0%増の466億円。親会社株主に帰属する当期純利益は7月予想比70.0%増の25億5000万円を見込む。前期の連結実績は売上高353億円、営業損失4億300万円だった。
| 項目 | 7月予想 | 修正予想 | 7月予想比増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 45,500 | 46,600 | +2.4% |
| 営業利益 | 2,500 | 4,100 | +64.0% |
| 経常利益 | 2,300 | 3,900 | +69.6% |
| 当期純利益 | 1,500 | 2,550 | +70.0% |
通期のGPUインフラストラクチャーサービスの売上高は208億5000万円を見込む。計算資源への旺盛な需要と営業体制の強化により、前期に取得したGPUがフル稼働に迫る水準を維持する見通しで、提供単価の改善にも取り組むとしている。決算説明資料によると、同売上高予想は前期比156.0%増となる。これらは残り期間に対する同社の見通しであり、すでにフル稼働を達成した実績ではない。
提供単価・案件獲得と支出の見直し
上期の売上高は228億3000万円と、7月予想を3億2700万円(1.5%)上回り、前年同期比では46.0%増となった。GPUインフラストラクチャーサービスの売上高は前年同期比258.9%増の101億2000万円だった。前期に獲得したベアメタル型生成AI向け大型案件の継続利用や新規受注が寄与した。
グループ会社の案件獲得による押し上げ効果は注意して見る必要がある。その他サービスの売上高は、前年同期に大口案件を獲得していた反動で、前年同期比12.3%減の32億7000万円となった。グループ会社による上振れは同社の予想に対するもので、前年同期に対するものではない。
営業利益は予想を7億6300万円上回り、上振れ幅は売上高の2倍強となった。同社は増収に加え、不正アクセス事案を受けて顧客対応や再発防止策、セキュリティ基盤の強化を優先し、一部の広告・イベント施策や採用計画を見直したためとしている。決算説明資料の増減分析では、予想の22億円から売上増加で3億2700万円押し上げられたほか、広告宣伝費や採用関連費用、その他費用の減少が寄与したことが示されている。また同資料は、同事案が2027年3月期業績に与える影響は限定的としている。Tokyo Briefの関連記事
費用が集中する下期
決算説明資料によると、下期の売上高予想は237億7000万円、営業利益予想は上期の29億6000万円に対し11億4000万円となっている。通期の成長投資や当期固有の費用が下期に集中するためとしている。中途採用は上期の12人に対し下期は約70人を予定するほか、イベントやWEB広告、2026年12月23日に迎える創業30周年の関連施策を計画している。業績予想修正の開示資料では、こうした成長投資の投資効果を見極め、着実に実施していくとしている。
また決算説明資料によると、GPUサーバーは3年間で償却しており、2027年1月から順次減価償却が終了する。
配当
取締役会はまた、2026年9月30日を基準日とし、1株当たり2円50銭(総額1億80万円)の記念中間配当を実施することを決議した。支払開始日は2026年12月14日。年間配当は、この2円50銭と期末配当5円50銭を合わせ、前回予想の5円50銭から8円00銭に引き上げる予定だ。
決算短信では、将来に関する記述は現在入手している情報および前提に基づいており、その達成を約束するものではないとしている。
