日本電気(6701)は2026年5月14日付でCSG Systems Internationalを連結子会社化し、2026年9月中間期の決算短信で同買収の寄与と負担が明らかになった。CSGは取得日以降、売上収益に813億円、中間利益に59億円寄与した。一方、同社はのれん3944億円を計上し、通期のフリー・キャッシュ・フロー予想をマイナスとした。
CSGがもたらしたもの、もたらさなかったもの
連結売上収益は前年同期比11.7%増の1兆7500億円となった。営業利益は23.3%増の1462億円、買収に伴う無形資産の償却費やM&A関連費用、構造改革関連費用、減損損失、その他の一過性損益を控除した同社指標のNon-GAAP営業利益は47.7%増の1883億円だった。
決算説明資料では、海外ITサービスで売上収益が前年同期の2023億円から3098億円に達し、CSGが増収増益に貢献したとしている。このほか、国内ITサービス(BluStellarの拡大および収益性改善による)や、航空宇宙・防衛、海洋システムも寄与した。
2025年4月1日からCSGを連結していたと仮定したプロフォーマベースの数値では、買収効果を除いた実態が浮き彫りになる。同ベースの売上収益は6.6%増と実績の11.7%増を下回り、Non-GAAP営業利益は467億円増の1876億円と、実績の増益幅である608億円を下回った。
のれんと構造改革関連費用
同社は北米子会社を通じた逆三角合併により、現金3608億円でCSGの議決権を100%取得した。識別可能な純資産の公正価値がマイナス336億円だったため、取得により生じたのれんは3944億円となった。貸借対照表上ののれんの合計は、3月末の4505億円から8242億円に膨らんだ。同社によると、のれんは超過収益力および傘下のNetcrackerとのシナジー効果を反映したもので、税務上損金算入が見込まれるものはない。取得原価の配分は暫定的なものとなっている。
実績とNon-GAAP利益の乖離は拡大した。控除項目にはM&A関連費用77億円のほか、構造改革関連費用および減損損失230億円(前年同期は16億円)が含まれる。その他の損益は184億円の損失に転じ、これには海外向けネットワーク機器再販事業および一部の国における政府・自治体向けITサービス事業の譲渡契約締結に伴う事業構造改善費用137億円が含まれる。取得関連費用41億円のうち、18億円を上期に費用処理した。
中間利益は59.8%増の1177億円となり、税引前中間利益の伸び率(23.2%増)を大きく上回った。法人所得税費用は前年同期の418億円に対し245億円だった。同社によると、仮にCSGを期首から連結していた場合、中間利益は1075億円になっていたという。
現預金・負債と新たな通期予想
子会社の取得による支出は4134億円で、これには取得の対価に含まれないCSGの転換社債の償還による支出が含まれる。上期のフリー・キャッシュ・フローは、1742億円の黒字に対し、4126億円の赤字となった。有利子負債残高は3月末の4892億円から7747億円に増加し、現金及び現金同等物は6590億円から4358億円に減少した。
同社はCSGの連結を織り込み、通期のNon-GAAP業績予想を7月29日時点から引き上げた。業績予想は売上収益とNon-GAAP指標を対象としており、部材リスクやマクロ経済環境の不透明性を踏まえ期初に織り込んだ300億円のアローワンスは維持する。年間配当予想は1株当たり40円(うち中間配当20円)で据え置いた。
| 指標 | 7月29日予想 | 10月28日予想 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 3,540.0 | 3,740.0 |
| Non-GAAP営業利益 | 430.0 | 460.0 |
| 親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益 | 290.0 | 310.0 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 300.0 | -90.0 |
| 海外ITサービス売上収益 | 450.0 | 620.0 |
| 海外ITサービスNon-GAAP営業利益 | 52.0 | 77.0 |
同社は5月12日発表の中期経営計画で掲げた全社財務目標を据え置いた。一方、海外ITサービスの目標を引き上げ、CSGの収益貢献を織り込んだ成長投資余力を1兆3000億円と見込む。なお、中間期決算短信は監査法人のレビューの対象外となっている。
