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信金中央金庫 優先出資証券、中間純利益19%増も包括利益は赤字転落

信金中央金庫 優先出資証券の中間純利益は前年同期比19.3%増の261億円となった。一方、その他有価証券評価差額金が2296億円減少し、包括利益はマイナス84億円に転落。満期保有目的の債券は6716億円の含み損を抱える。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月28日3分で読める信金中央金庫 優先出資証券8421
水面下に一部沈んだ債券台帳のブロックの束がピンと張った糸で支えられ、その横に利息収入を表す小さな上昇バーが並んでいる抽象的なイラスト

信金中央金庫 優先出資証券(8421)が発表した2026年9月中間期の連結決算は、増益となった一方で包括利益はマイナスとなった。経常収益が前年同期比57.3%増の4920億円、経常利益が20.2%増の364億円、親会社株主に帰属する中間純利益が19.3%増の261億円だった。純利益に未実現の評価損益の変動を加えた包括利益は、前年同期の1179億円の黒字から84億円の赤字に転じた。通期の業績予想は据え置いた。

純利益と包括利益の差の要因

変動の要因は、中間期にマイナス348億円となったその他の包括利益にある。その他有価証券評価差額金が2296億円の押し下げ要因となった一方、繰延ヘッジ損益が1952億円を相殺した。9月末のその他有価証券評価差額金の累計額はマイナス7008億円(3月末はマイナス4711億円)となった。繰延ヘッジ損益の累計額は3689億円から5641億円に増加し、連結純資産は1兆6400億円から1兆6100億円に減少した。

同金庫の決算説明資料によると、単体でも同様の傾向がみられる。その他有価証券の評価差額は3月末のマイナス6580億円からマイナス9820億円に拡大したが、金利スワップによりヘッジ考慮後の評価差額の悪化は抑制されているという。

満期保有目的債券に6716億円の含み損

別途開示した資料では、満期保有目的の債券の含み損を公表した。同金庫および連結子会社が保有する満期保有目的債券の帳簿価額は3兆9700億円、時価は3兆3000億円で、含み損は6716億円となった。これは前期の連結経常利益(562億円)の1195.9%、連結純利益(430億円)の1561.5%に相当する。対象は時価を合理的に算定できるすべての満期保有目的の債券で、国内は9月30日時点、海外連結子会社は6月30日時点で算定している。

ヘッジ考慮後の数値も開示している。固定金利の利息収入を変動金利に転換して金利上昇時の含み損を抑える金利スワップを考慮した場合、満期保有目的債券の差引含み損益は3614億円の含み損となる。ヘッジ考慮前は、12億円の含み益を差し引いた差引含み損益がマイナス6704億円だった。これらはいずれも時価評価ベースの数値であり、満期保有目的の債券は貸借対照表上、償却原価で計上される。

実現損失も拡大

単体決算では、経常利益が前年同期比6.6%減の341億円、中間純利益が13.2%減の249億円だった。債券売却損が219億円から1291億円に膨らみ、国債等債券損益(5勘定尻)は1318億円の損失(前年同期は257億円の損失)となった。同金庫は債券売却について、資金運用収益の増加を原資に、採算性の悪化した債券のメンテナンスを実施したものと説明している。子会社からの配当金および債券等のメンテナンスコストを除いた単体経常利益は、48.8%増の550億円だったとしている。

業績予想と自己資本

2027年3月期の連結業績予想は、経常利益610億円、当期純利益440億円を据え置いた。単体予想は経常利益580億円、当期純利益420億円で、配当予想も変更はない。9月末時点の連結自己資本比率(国内基準)は3月末比0.72ポイント低下の21.23%で、期末予想は20%台としている。