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政策ウォッチ

金融庁の意見書案、サステナビリティ保証基準の2027年3月までの策定求める

金融庁のサステナビリティ情報保証部会に提出された意見書案は、限定的保証と日本固有の調整を加えた国際基準の導入を提案。時価総額3兆円以上のプライム市場上場企業に対する保証義務化が始まる1年前の2027年3月までの策定完了を目指す。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月28日3分で読める
排出量メーターの表示とチェックが入ったリストの横に並ぶ3つの噛み合った歯車。保証基準が国際ルールと整合していく様子を示している。

企業会計審議会の第3回サステナビリティ情報保証部会向けに用意された意見書案は、金融庁が国際基準を手本に日本のサステナビリティ保証基準を自ら策定し、2027年3月末までに完了することが望ましいとしている。会合は10月29日13時から15時に開かれ、事務局説明と討議が議題となっている。

同文書は日付が空欄の案であり、新たな要求事項を定めるものではないと記している。保証業務実施者が従う必要があるのは金融庁が最終的に策定する基準であり、意見書ではない。Tokyo Briefの関連記事

対象企業と保証範囲

意見書案は2026年7月に成立した改正法を出発点としている。同法は金融商品取引法と資金決済に関する法律を改正し、一定のプライム市場上場企業に対してSSBJ基準に基づく情報開示と当該情報への第三者保証の取得を義務付ける。意見書案によると、時価総額3兆円以上のプライム市場上場企業を対象に2028年3月期決算から保証が義務化される。

意見書案によると、制度開始から最初の2年間は、Scope1・2の温室効果ガス排出量、ガバナンス、リスク管理が保証義務の対象となる。3年目以降の対象範囲は、国際動向を踏まえて今後検討する。保証水準は限定的保証とし、合理的保証への移行は検討しないとしている。また、企業のサステナビリティ開示の一部のみを保証する場合、具体的な保証範囲と適合する規準を法令で明確にする必要があるとしている。その範囲外の情報はすべて「その他の記載内容」となり、保証業務実施者が通読して検討しなければならない。

基準の策定主体

意見書案は日本の基準として、保証業務に関する「JSSA 5000」、品質管理に関する「JSQM 1」、倫理・独立性に関する「JESSA」の3つを挙げている。これらは国際監査・保証基準審議会のISSA 5000と国際会計士倫理基準審議会のIESSAを基礎とし、原則として同等としつつ日本固有の調整を加えたものとなる。

意見書案は、サステナビリティ保証業務実施者の自主規制機関が存在しないこと、また監査法人とそれ以外の実施者の双方が要件を満たせば登録できることから、金融庁が基準策定主体となることを提案している。その上で、日本公認会計士協会が2026年3月に公表した実務指針を挙げ、金融庁が双方の事業者とも遵守できるよう同指針を修正し、作成者、保証業務実施者、投資家の意見を踏まえて最終決定するとしている。

10月29日の会合を欠席する品質保証財団出身の部会委員1人は、書面で意見を提出した。同委員は意見書案に賛同した上で、主に監査法人の実務を前提に作成された実務指針が監査法人以外の保証業務提供者にも適用可能か検討するよう金融庁に求めている。

国際基準からの調整点

意見書案は3つの追加事項を提案している。保証業務実施者は、取締役会や監査役等を例として、どの機関を「ガバナンスに責任を負う者」として扱うか依頼人と事前に合意する。また、ISQM 2を踏まえた審査の実施を求める。さらに、国際基準に詳細な規定がないため、保証業務実施者間の引継と共同保証を明示的な要求事項とする。

保証業務実施者が財務諸表の監査人と異なる場合について、意見書案は、秘密保持義務があること自体によって両者のコミュニケーションが妨げられるべきではないとしている。また、秘密保持義務が解除される場合について企業と事前に合意しておくことを提案している。

基準は関係法令で指定される予定で、意見書案は金融庁に対し、関係者との協議の上で日本公認会計士協会の実務指針との関係を整理するよう求めている。