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日銀が利上げ姿勢を維持、ETF売却を加速へ
日銀は利上げ継続と1月からのETF売却拡大を表明、アンソロピックは上限35億ドルの国内募集を届出、ペイクラウドの情報流出は暫定で約7700万件に拡大
マーケット
市場概況
東京株式相場は軟調、10年物国債利回りは小幅に低下した。
出典:日経・JPX・日銀・財務省(数値のみ、解説は含まず)
主要記事
日銀が利上げ姿勢を維持、ETF売却を加速へ

日銀が利上げ継続方針、物価は2%を明確に上回ると予測
日本銀行が公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」全文によると、現在1.25%程度を誘導目標とする政策金利は今後も引き上げを継続する。物価上昇率は2%を上回って推移した後に鈍化する見通しで、1月からは上場投資信託(ETF)の売却ペースを引き上げる。
変更点: リポートは、経済・物価・金融情勢の展開に応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整し続けるとした上で、各段階の時期やペースを慎重に見極めるとしている。政策委員会は賛成8、反対1の賛成多数で短期金融市場の誘導目標を1.25%程度とすることを決定した。高田創審議委員は、基調的な物価上昇率が目標に達したとして1.5%程度への誘導を提案し、反対票を投じた。
注目の数字: 日銀は、生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)の前年比上昇率について、原油高やAI関連の半導体価格上昇、これまでの円安を背景に2%を明確に上回る水準まで加速した後、予測期間後半には2%程度に向けて鈍化すると見込む。前提となるドバイ原油価格は、1バレル=105ドル程度から予測期間末にかけて70ドル程度へ下落すると想定している。この見通しには、現在国会で審議中の飲食料品に対する時限的な消費税率引き下げ案は織り込まれていない。
なぜ重要か: 借入コストは低い水準から上昇しつつある。貸出金利やコマーシャルペーパー(CP)・社債の発行金利は上昇しているものの、日銀は企業の資金調達コストが収益性に比べて依然として十分に低い水準にあるとしている。
注目点: 2027年1月からは、ETFの売却額を簿価ベースで従来の年約3300億円から年約8600億円へ引き上げ、株式市場の売買代金に占める割合を約0.05%から約0.1%へと高める。このペースで推移した場合、保有残高の処分完了にかかる期間は従来の約112年から約43年に短縮される。決定は全員一致で、市場環境が変化した場合は売却の調整や一時停止を行う可能性があり、不動産投資信託(J-REIT)の売却ペースは年約50億円で据え置く。「主な意見」は11月10日、議事要旨は12月23日に公表される予定だ。
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政策・新規上場・企業買収

アンソロピック、Nasdaq上場に向け日本で上限35億ドルの株式募集を届出
アンソロピックは、上限見込額35億ドル(届出書の換算レートで5529億円)のクラスA普通株式の日本国内における募集を届け出た。国内証券6社を通じて販売されるが、Nasdaqの上場承認や発行価格、株数、条件決定日は未定となっている。
変更点: 11月2日に関東財務局へ有価証券届出書を提出した。この上限額は全体の募集のうち日本国内分のみを対象としており、届出書によると最終的な国内募集額は見込額から大幅に変動する可能性がある。同社は10月26日(米東部時間)にNasdaq Global Select Marketへの上場を申請したが、届出書提出時点でNasdaqからの上場承認は得られておらず、日本の証券取引所への上場予定もない。
注目の動き: 日本国内での引受は行われない。Mizuho Securities USA、Goldman Sachs & Co.、MUFG Securities Americasが引受人として株式を買い取り、国内証券6社がその委託を受けて注文を取り次ぐ。個人投資家向けの需要には楽天証券とSBI証券が対応する。国内の購入者は利用する証券会社で外国証券取引口座を開設する必要があり、国内募集分は目論見書の電子交付のみで販売される。
注目点: 条件決定日は2026年11月から2027年4月の間と見込まれているが、届出書では2027年4月以降になる可能性もあるとしている。内部関係者は条件決定日から180日間、創業者や一部大株主は最長365日間のロックアップ対象となる。調達資金は運転資金や、コンピュートおよびインフラを含む設備投資、人材採用に充てる計画で、手取金総額は未定だ。

政府、燃料油補助に予備費1兆1480億円使用を決定 基準価格は12月に5円引き上げ
片山財務相は10月30日、中東情勢等対応予備費から1兆1480億円の使用が承認され、残額が7359億円になったと明らかにした。ガソリンの基準価格は12月に175円へ引き上げられ、冬季の電気・ガス料金支援は12月から2月まで実施される。
変更点: 政府は同日午前の閣議で、12月までの所要額を賄う規模として予備費の使用を決定した。補助金の基準価格は10月と11月は170円に据え置き、12月に175円へ引き上げる。政府としては春先に向けて毎月5円ずつ引き上げていく考えだ。この基準価格は補助金制度上の指標であり、ガソリンスタンドでの小売価格ではない。
注目の数字: 同相は、1リットル当たりの補助単価が現在50円を超えて過去最高に達しており、1日当たり100億円を超えるペースで公費が投じられていると説明した。与野党の議員からは段階的な見直しや出口戦略を求める声が上がっていた。基準価格を一度に引き上げれば、家計や経済活動への影響が大きすぎると同相は述べた。
注目点: 高市首相は、電気・ガス料金の支援を12月から3カ月間実施し、期間中の目安を7000円とすることを表明した。財務相はその予算規模や財源を明らかにしなかった。3月以降の継続有無は未定で、政府は天候やエネルギー価格を踏まえて改めて検討する方針だ。
ファラロンがヤマトHD株5.02%を取得、会長の退任を提案
ファラロン・キャピタル・マネジメントはヤマトホールディングス株の5.02%を取得したことを開示し、書簡および面談を通じて、会長の取締役退任と社長以外の全取締役を社外取締役とするよう提案したと明らかにした。
変更点: ファラロンは発行済株式総数3億6049万6492株の5.02%に当たる1810万8700株を保有している。報告義務発生日は10月28日で、11月2日に大量保有報告書を提出した。借入は行わず自己資金376億2000万円を投じており、保有目的は純投資および建設的な対話としている。
注目の動き: ファラロンは、長年にわたり社長として経営を主導し現在は代表取締役会長を務める会長について、代表取締役の解職および取締役からの退任を提案している。また、社長以外の全取締役を社外取締役とするモニタリング・ボードへの移行も求めている。ファラロンは、ヤマトHDが2022年3月期から2026年3月期までの5期連続で期初の営業利益予想を下方修正したと指摘しているが、これらはファラロン側の主張であり、報告書にヤマトHD側の見解は記載されていない。
注目点: ファラロンは、役員の選任から合併、配当方針、資本政策に至るまで、さらなる変更を提案する可能性があるとしている。提案を行うかどうかや、その内容・時期は未定だ。ヤマトHDが両提案に同意したかどうかは報告書に記載されていない。
アクセンチュア、グローバルセキュリティエキスパートに1株8500円でTOB 59.83%は不応募
アクセンチュアの日本法人はグローバルセキュリティエキスパートに対し1株8500円で株式公開買付け(TOB)を実施するが、59.83%を保有する株主は応募せず、スクイーズアウト(強制買い取り)後に5835円および6918円で発行会社の自己株式取得に応じる。
変更点: 買付期間は2026年11月2日から12月15日までで、買付予定数に上限は設けず、下限は基準株式数の6.48%に当たる98万3100株としている。上位2株主は不応募で合意しており、筆頭株主が39.57%、兼松の子会社が20.27%を保有している。
注意点: この2社は8500円の買付価格を受け取らない。スクイーズアウト後にグローバルセキュリティエキスパートが両社からそれぞれ5835円と6918円で自己株式を取得する予定で、報告書によると、税引後の手取額が8500円でTOBに応募した場合とほぼ同水準になるよう設定された価格だという。応募しなかった株主は株式併合の対象となり、2027年2月上中旬をめどに臨時株主総会が開かれる予定だ。保有株1株当たり8500円が交付され、価格決定の申立権も認められる。
背景: 買付価格は6月18日の初回提案時の4650円から10月7日に8500円へ引き上げられ、買付側はこれを最終価格とした。10月29日終値(7980円)に対して6.52%のプレミアムとなる。対象会社はフェアネス・オピニオンを取得しておらず、マジョリティ・オブ・マイノリティ(少数株主の過半数による賛同)条件も設定されていない。また、取締役13人のうち4人は決議に参加しなかった。本TOBはまだ完了していない。
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企業決算・情報流出の波紋

マクニカHD、営業利益予想を675億円に上方修正 半導体需要がCPS事業を上回る
マクニカホールディングスは半導体需要を背景に、2027年3月期の連結営業利益予想を5月時点から29.8%増の675億円に上方修正した。一方、CPSソリューション事業の営業赤字予想は80億円へと拡大する。
変更点: 通期予想は売上高が1兆6700億円、営業利益が675億円、純利益が460億円となり、5月時点の予想(売上高1兆3000億円、営業利益520億円、純利益320億円)からそれぞれ引き上げた。各増加額はいずれも同社の従来計画に対する比較だ。半導体事業の営業利益予想は375億円から565億円に引き上げられ、上期の同事業売上高は46.7%増の7213億円だった。
注意点: 自動運転バス事業を含むCPSソリューション事業は、上期に46億円の営業赤字を計上した。同社によると、子会社のNavya Mobility SASで完成車の販売が計画を下回ったほか、顧客による車両開発プログラムの中止があった。同事業の通期予想は売上高が従来の160億円から110億円へ引き下げられ、営業損益は従来の56億円の赤字から80億円の赤字へと拡大する見通しだ。サイバーセキュリティ事業は売上高予想が2160億円に引き上げられたものの、営業利益予想は201億円から190億円へ引き下げられており、決算説明資料にその理由は示されていない。
押さえておきたい点: 事業拡大に伴い資金流出が続いている。上期の営業キャッシュフローは売上債権や棚卸資産の増加を主因に326億円のマイナスとなり、短期借入金は401億円増の1159億円に膨らんだ。それでも株主還元は強化し、年間配当予想を従来の80円から90円に引き上げたほか、11月4日から12月21日にかけて上限160万株・50億円の自社株買いを実施する。

JAL、上期EBITは36%減 燃油費が47.4%急増
日本航空の上期(4〜9月期)連結決算は、売上収益が11.7%増加したものの、燃油費が47.4%急増した影響で財務・法人所得税前利益(EBIT)が36.0%減の702億円に落ち込んだ。経営陣は通期のEBIT予想1800億円を据え置いた。
変更点: 9月30日までの6カ月間において、売上収益は11.7%増の1兆990億円となった一方、営業費用は16.5%増の1兆380億円、燃油費は47.4%増の2856億円に膨らんだ。EBITは36.0%減の702億円、売上収益に対する比率は前年同期の11.2%から6.4%に低下し、親会社の所有者に帰属する中間利益は42.2%減の391億円だった。
なぜ重要か: 同社は、中東情勢の緊迫化で航空燃料価格が上昇したことに加え、円安がコストを押し上げたと説明している。燃油費を除く費用は8.0%増の7526億円だった。事業別のEBITは、フルサービスキャリアが45.3%減の416億円、LCCが73.0%減の18億円となった一方、マイル・金融・コマースは5.4%増の222億円だった。
注目点: 通期業績予想は据え置いており、EBITは前期比17.4%減の1800億円を見込む。上期実績の702億円はその一部となる。普通株式の中間配当は従来の46円から48円に引き上げ、支払開始日は12月10日を予定している。
ペイクラウド傘下アララの情報流出、メアド約7700万件に拡大 サービス停止続く
ペイクラウドホールディングスは、子会社アララが運営するメール配信サービスにおいて、最大約380社の顧客企業からメールアドレスや会員情報が流出し、漏えいしたアドレス数が暫定値で約7700万件に達したと発表した。サービスは全面停止しており、再開日は未定としている。
変更点: 11月2日付の第2報で、ペイクラウドは流出件数を10月29日公表の約301万件から暫定で約7700万件へと引き上げた。新たな件数には顧客企業側の環境も含まれており、97台のサーバーからメールアドレスや会員情報が持ち出されたことが確認された。流出データには氏名、生年月日、電話番号、住所などが含まれ、内訳は顧客企業によって異なる。同社によると、アララのサービスはクレジットカード番号を保持しておらず、1人が複数のアドレスを保有している可能性があるため、この件数は最終ユーザー数を示すものではないという。
注意点: 報告書では事案を複数の区分に分けており、同社は件数を合算していない。約7700万件は10月28日から31日にかけて同サービスを経由して行われた不正アクセスによるものだ。第1報で報告された共用環境での流出は、顧客企業61社、ユニークアドレス数で338万6187件だった。これとは別に、10月28日から30日の間に、第三者がクレジットカード会社を装った不審メールを最大約713万通送信していた。
注目点: アララは10月31日に全サービスを停止し、再開時期は未定としている。再開には侵入経路の特定と認証情報の置き換えが必要になるという。同社は原因についても修正し、システム環境における問題も一因だったとした。2027年8月期業績への影響は精査中で、数値は第3報で公表する予定だ。
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