本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。

記事

アンソロピック、Nasdaq上場計画で上限35億ドルの国内公募を届出

アンソロピックは国内証券6社を通じて販売する上限見込額35億ドル(届出書レートで5529億円)の国内公募を届け出た。Nasdaqの上場承認や価格、株式数、条件決定日は未定となっている。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年11月2日3分で読める
円とドルの台帳の間にある単一の価格決定ゲートに6つの注文チャネルが集約され、その上部に空の承認枠が置かれた抽象図。

アンソロピック・ピービーシー(Anthropic, PBC)は、クラスA普通株式の日本国内での公募について有価証券届出書を提出した。発行価額総額の上限見込額は35億ドルで、届出書が用いる1ドル=157.97円の換算レートでは5529億円となる。2026年11月2日に関東財務局長に提出されたこの届出書は、みずほ銀行の2026年10月1日時点の相場を換算レートに採用している。

この上限額は、より広範な募集のうち日本国内分のみを対象とする。届出書によると、国内募集の最終的な金額は条件決定日に決まり、見込額から大きく変動する可能性がある。

上場承認は未了

アンソロピックは2026年10月26日(米東部時間)、Nasdaq Global Select Marketへの株式上場を申請した。届出書によると、提出時点でNasdaqからの上場承認は得られていない。取引は条件決定日の翌米営業日に始まる見通しで、届出書は日本国内の取引所への上場予定はないとしている。

国内証券6社、日本での引受はなし

日本国内では引受は行われない。Mizuho Securities USA、Goldman Sachs & Co.、MUFG Securities Americasが引受人として株式を買い取り、日本の証券会社6社が各社に代わって注文を取り次ぐ。国内募集の事務幹事はみずほ証券が務め、個人投資家需要には楽天証券とSBI証券が対応する。アンソロピックは引受手数料を支払わず、発行価格と引受人の買付価格との差額が引受人の手取金となる。

日本国内の購入者は、利用する取扱証券会社に外国証券取引口座を開設する必要がある。楽天証券、およびみずほ証券とSBI証券のオンライン窓口では抽選を行い、国内募集分は目論見書の電子交付のみで販売される。取扱証券会社の定める期限までに申込を撤回しない投資家は、最終条件が仮条件の範囲外となった場合でも株式の割当を受けることがある。

価格・日程は未定

条件決定日は2026年11月から2027年4月の間と見込まれているが、届出書は2027年4月以降になる可能性もあるとしている。価格はブックビルディング方式で決定され、仮条件は条件決定前に変更される場合がある。米国の慣行に従い、最終価格は事前の通知や訂正届出書の提出なしに仮条件の上限を上回るか、下限を下回って決まる可能性がある。届出書では、株式数およびグローバルオファリング全体に占める日本国内募集分の割合は未定となっている。

資金使途とロックアップ

アンソロピックは調達資金を運転資金、営業費用、コンピュートやインフラを含む設備投資、専門人材の採用・維持に充てる計画だ。一部を買収や投資に振り向ける可能性もあるが、重要な案件について合意や確約はないとしている。また、譲渡制限付株式ユニットの決済に伴う源泉徴収税の支払いにも一部を充てる予定だが、金額は空欄のままとなっている。手取金の額は未定だ。

取締役や役員、および実質的にほぼ全ての株式を保有する株主は、条件決定日から180日間のロックアップに同意しており、創業者や完全希薄化後株式の0.5%超を保有する一部株主には最長365日間のより長い期間が設定されている。日本国内の購入者への株式の受け渡しは条件決定日の2営業日後、日本の祝日が挟まる場合は1営業日後となる予定だ。