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アクセンチュア、グローバルセキュリティエキスパートに1株8500円でTOB 59.83%は対象外

アクセンチュアの日本法人がグローバルセキュリティエキスパート株を1株8500円で公開買付けへ。一方、株式の59.83%を保有する株主は応募せず、スクイーズアウト後に5835円と6918円で自社株買いに応じる。

2つの大口保有分とわずかな残余分を示す積み上げ棒グラフに、基準線と1本の統合された柱へつながるファネルを配した図。

アクセンチュアの日本法人は、東証グロース市場上場のサイバーセキュリティ企業であるグローバルセキュリティエキスパート(4417)を非公開化するため、1株8500円で株式公開買付け(TOB)を実施する。買付期間は2026年11月2日から12月15日まで(30営業日)で、買付予定数の上限は設けず、下限は基準株式数の6.48%にあたる98万3100株とした。応募株数が下限に達すれば、買付者は応募された全株式を買い取る。新株予約権の買付価格は1個につき1円。

下限が低く設定された理由

対象会社の上位2株主は不応募契約を締結した。筆頭株主が600万6000株(39.57%)、兼松(8020)の子会社が307万6000株(20.27%)を保有しており、合計は908万2000株(59.83%)となる。買付予定数の下限は、これら2株主の議決権と、TOBに賛同した取締役が保有する譲渡制限付株式の議決権を合わせて、買付者側がスクイーズアウトに必要な株主総会の特別決議の要件である総議決権の3分の2以上を確保できるよう設定された。報告書にある66.37%という数値は、下限のみを買い付けた場合の株券等所有割合であり、特別関係者の保有分を加算した法定の指標だ。買付者単独の保有割合ではなく、下限買付時の単独保有割合は基準株式数の6.48%となる。

2通りの売却価格

上位2株主は1株8500円を受け取らない。スクイーズアウト後、対象会社が両株主から自己株式として1株当たり5835円(筆頭株主)と6918円(兼松子会社)で取得する予定だ。報告書によると、これらの価格はみなし配当の税制を考慮し、税引後の手取り額が8500円でTOBに応募した場合と実質的に同等になるよう設定された。両株主の取得価格に差があるのは、実効税率と保有株式の税務上の取得価額が異なるためとしている。取得対価の総額は筆頭株主分が350億5000万円、兼松子会社分が212億8000万円。

兼松は、TOBが予定価格で成立し、子会社が保有する全株式を売却した場合、2027年3月期の親会社の所有者に帰属する当期利益が約145億円押し上げられる見込みだと発表した。

対象会社は、アクセンチュアの日本法人を割当先とする第三者割当増資のほか、必要に応じた借入れや減資を通じて自己株式取得の原資などを確保する予定だ。買付者はTOBの決済資金として、アクセンチュアグループの金融会社から短期貸付金の返済として600億円を受け取る見込み。

少数株主の扱い

TOBに応募しない株主の保有株は株式併合の対象となり、2027年2月上旬から中旬をめどに臨時株主総会が開かれる予定だ。端数株式の売却により、株主には保有株1株当たり8500円が交付される見通しで、株式買取請求権も認められている。

買付価格は6月18日の初回提案の4650円から、特別委員会による引き上げ要請を経て、10月7日に8500円へ引き上げられた。買付者は8500円を最終提案とした。この価格は10月29日終値(7980円)に対し6.52%、直近1カ月平均に対し22.97%、直近6カ月平均に対し89.73%のプレミアムとなる。対象会社のアドバイザーによると、類似の非公開化案件167件におけるプレミアムの中央値は、直前営業日終値比で34.26%、直近1カ月平均比で38.44%だった。取締役会は9月中旬以降の株価急騰を踏まえ、プレミアムは妥当と判断した。

対象会社の第三者算定機関は、1株当たりの株式価値を市場株価法で4480〜7980円、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー(DCF)法で6262〜9467円と試算した。同社はフェアネス・オピニオンを取得しておらず、TOBにマジョリティ・オブ・マイノリティ条件も設定していない。特別委員会は、59.83%の株式がTOBの対象外であることを踏まえ、同条件の設定は不要と判断した。

取締役13人のうち、筆頭株主およびその子会社に過去10年以内に在籍していた3人と、兼松子会社の取締役を兼務する1人の計4人は決議に参加しなかった。残る9人は全員一致でTOBへの賛同を決議し、3人で構成される独立した特別委員会も同旨の答申を行った。TOBはまだ完了しておらず、上場廃止は現時点では予定段階にとどまる。