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マクニカホールディングス、営業益予想675億円に上方修正 半導体好調でCPS不振補う

マクニカホールディングスは半導体需要を背景に、2027年3月期の営業利益予想を5月時点の予想を29.8%上回る675億円に引き上げた。一方、自動運転バス事業を含むCPSソリューション事業は赤字幅が80億円に拡大する見通しだ。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年11月2日3分で読めるマクニカホールディングス3132
手前の倉庫のパレットに積まれた電子部品のリールと、搬出入バースの奥に停車している稼働していない電気シャトルバス。

マクニカホールディングス(3132)は11月2日、2027年3月期の通期業績予想を上方修正した。売上高は5月時点の予想である1兆3000億円から1兆6700億円へ、営業利益は520億円から675億円へ、純利益は320億円から460億円へとそれぞれ引き上げた。引き上げ幅は売上高が28.4%、営業利益が29.8%、純利益が43.7%で、いずれも前期実績ではなく同社の前回予想に対する増減率である。

半導体事業が上方修正をけん引

同社によると、AI関連向けの需要が市場をけん引し、幅広い市場で半導体需要が堅調に推移している。決算説明資料では、半導体事業の売上高予想を1兆880億円から1兆4430億円へ、営業利益予想を375億円から565億円へと引き上げた。上期実績もこの傾向を裏付けている。半導体事業の売上高は46.7%増の7213億円、セグメント営業利益は117.1%増の293億円だった。同社は産業機器市場で幅広く需要が回復し、車載市場の在庫調整も終息したとしている。決算説明資料によると、産業機器向けの半導体売上高は83%増加した。

2027年3月期の営業利益予想
予想の単位は10億円。前回予想は2026年5月11日公表、修正予想は2026年11月2日公表。
セグメント5月時点予想修正予想
連結52.067.5
半導体事業37.556.5
サイバーセキュリティ事業20.119.0
CPSソリューション事業5.6の赤字8.0の赤字

サイバーセキュリティ事業は増収減益

サイバーセキュリティ事業は手放しで評価できる内容ではない。同社は売上高予想を1960億円から2160億円に引き上げた一方、営業利益予想は201億円から190億円に引き下げた。上期はエンドポイントセキュリティやクラウド、SASE関連商品が伸び、売上高は31.2%増の1059億円、営業利益は14.8%増の89億円となった。決算説明資料には営業利益予想を引き下げた理由の記載はない。

CPS事業の計画未達

振るわないのが、自動運転バス事業を含むCPSソリューション事業だ。上期は売上高41億円に対し、営業損益は46億円の赤字(前年同期は37億円の赤字)となった。同社によると、子会社のNavya Mobility SASで完成車両の外部販売台数が当初想定を下回り、費用の計上が販売収益の計上に先行した。また、顧客が車両開発計画を中止したことで、当初計画に織り込んでいた案件も終了した。同社の自動運転EVバスは2026年3月、茨城県常陸太田市の一般道でレベル4の運行認可を取得している。それでも、地方自治体の顧客における導入までの期間は長期化している。

同社は現在、CPSソリューション事業のスマートシティ/モビリティ領域で下期の売上高と利益が当初計画を下回ると見込んでいる。同セグメントの通期予想は、売上高が従来予想の160億円から110億円に引き下げられ、営業損益は56億円の赤字から80億円の赤字へと損失幅が拡大する見通しだ。

キャッシュフローと株主還元

事業拡大に伴い資金流出が続いている。上期の営業キャッシュフローは326億円の支出となり、同社は主な要因として売上債権および棚卸資産の増加を挙げている。短期借入金は401億円増加し、1159億円となった。

それでも株主還元は強化する。中間配当は予想の1株当たり40円から45円とし、年間配当予想も80円から90円に引き上げた。また、2026年11月4日から12月21日までの間に、東京証券取引所での市場買付を通じて160万株(自己株式を除く発行済株式総数の0.89%)、取得総額50億円を上限とする自己株式取得を決議した。通期の1株当たり純利益予想である257円56銭には、この自己株式取得の影響は織り込まれていない。