日本ハム(2282)は2026年11月2日、2027年3月期の通期事業利益予想を従来の610億円から18.0%減の500億円に下方修正する一方、売上高予想は1兆5000億円に据え置いた。今回の修正は前回予想に対するもので、前期実績との比較ではない。
業績予想の修正内容
税引前当期利益予想は従来の550億円から5.5%減の520億円、親会社の所有者に帰属する当期利益予想は380億円から7.9%減の350億円とした。1株当たり当期利益予想は従来の134円56銭に対し128円69銭としており、いずれも2026年10月1日付の1株につき3株の株式分割を考慮した数値となっている。
| 項目 | 従来予想 | 修正予想 | 前回予想比増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆5000億円 | 1兆5000億円 | 0.0% |
| 事業利益 | 610億円 | 500億円 | -18.0% |
| 税引前当期利益 | 550億円 | 520億円 | -5.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 380億円 | 350億円 | -7.9% |
| 基本的1株当たり当期利益 | ¥134.56 | ¥128.69 | ― |
コスト上昇の要因
日本ハムは、中東情勢の影響で全社的にコストが上昇していると説明している。加工事業では国内事業の利益確保を上回る製造コストの上昇を見込む。食肉事業では調達価格の変動に応じた価格設定を進めているものの、豪州の生体牛価格の高騰や飼料価格の上昇を見込む。発表資料には中東情勢による影響額は記載されていない。
上期の決算説明会資料には部門別の内訳が示されている。通期事業利益予想が従来の610億円から500億円へ引き下げられたうち、加工事業本部の通期予想は120億円から60億円に、食肉事業本部は500億円から450億円にそれぞれ引き下げられた。
最も下押し圧力が強いのは豪州事業だ。決算説明会資料によると、上期の豪州では中国や韓国によるセーフガード発動で需給環境が変化した影響から販売価格が低迷したほか、天候要因などから生体牛価格の高止まりが続いた。豪州の事業利益は上期に64億円減少した。同社は下期に販売価格の回復を見込む一方、生体牛価格はなお高止まりが続くとみている。
上期実績の概要
2026年9月30日までの6カ月間(中間期)の連結業績は、売上高が6.5%増の7694億円となった一方、事業利益は20.7%減の288億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は25.0%減の174億円だった。加工事業本部の事業利益は原料価格の高騰や物流費の上昇により40.1%減の13億円に落ち込んだ。食肉事業本部の事業利益は26.8%減の203億円で、決算短信では豪州の生体牛価格や飼料価格、人件費、物流費の上昇が要因として挙げられている。
配当予想の修正は株式分割に伴うもので実質据え置き
期末配当予想は従来の1株当たり180円から60円に修正された。同社によると、これは株式分割後の株式数に基づく金額に改めたもので、実質的な配当予想に変更はない。
通期事業利益予想の500億円に対し、上期実績ですでに288億円を計上していることから、修正後の通期予想は下期の利益が上期より縮小する見通しを示している。同社によると、税引前当期利益および親会社の所有者に帰属する当期利益の予想では、連結子会社で発生した火災事故に伴う保険金収入が減益要因を一部補ったものの、従来予想の水準を維持するには至らなかった。
