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ゼリア新薬工業のスイス子会社、アサコールの大部分を製造する独拠点の買収契約を締結

ゼリア新薬工業のスイス子会社Tillottsは、アサコール製造の大部分を担う独拠点Haupt Pharma Wülflingの全持分をAenovaから取得する契約を締結。取得価額は非開示で、当局承認などを条件に2027年1月以降の完了を予定する。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月26日2分で読めるゼリア新薬工業4559
包装機を備えた医薬品の錠剤生産ラインに、3つの枠で示した簡略な資本関係図を重ねた画像。

ゼリア新薬工業(4559)のスイス子会社であるTillotts Pharma AGは、Aenova Holding GmbHからHaupt Pharma Wülfling GmbH(HPW)の全持分を取得することで合意した。ゼリア新薬工業の2026年10月26日付の開示によると、持分譲渡契約はスイス時間の2026年10月23日に締結された。

Tillottsの取得対象

ゼリア新薬工業によると、ドイツのグローナウに拠点を置くHPWは、長年にわたりTillottsのアサコールの製造の大部分を担ってきた。アサコールは炎症性腸疾患の治療剤で同グループの主力製品であり、Tillottsは同剤やその他の医療用医薬品を約65カ国で販売している。

ゼリア新薬工業によると、同拠点を取得して製造を内製化することで、Tillottsは製造能力や生産計画、品質管理をより直接的かつ機動的に管理できるようになり、長期的な供給体制が強化されるという。もっとも、これは同社が掲げる取得理由であり、開示時点で実績として示されているわけではない。

ゼリア新薬工業はまた、固形製剤の開発・製造・包装や治験薬の取り扱いにおけるHPWの専門知識も挙げた。同拠点の経験豊富な従業員はTillottsの自社製造能力の維持に不可欠だとしており、同グループは製造能力の強化や品質・生産効率の向上に向けて同拠点への継続的な投資を計画しているという。

条件と日程

取得価額は非開示。ゼリア新薬工業はHPWの営業利益についても、適時開示上の軽微基準内だとして公表を控えた。

代わりに取得対象の規模は示されている。HPWの売上高は2023年12月期の5100万ユーロから2024年に4780万ユーロ、2025年には4110万ユーロへ減少した。2025年末時点の純資産は1240万ユーロ、総資産は5570万ユーロだった。これらはいずれも対象会社の財務数値であり、取引価額ではない。

Haupt Pharma Wülflingの直近3期の財務数値
ゼリア新薬工業が開示した対象会社の連結数値(単位:千ユーロ、各12月期)。営業利益は非開示。
項目2023年2024年2025年
純資産8,85712,51312,420
総資産57,28854,52055,666
売上高51,00747,82841,062

持分譲渡の実行は2027年1月以降を予定しており、関係当局からの承認取得を含む一般的な前提条件が満たされることが条件となる。ゼリア新薬工業は、当期および来期以降の連結業績への影響は現在精査中であり、開示すべき事項が生じた場合は速やかに公表するとしている。

ゼリア新薬工業の開示資料によると、同社とHPWまたはAenovaとの間に記載すべき資本関係、人的関係、取引関係はない。Aenovaの事業内容は医薬品の開発製造受託で、Jan Kengelbach氏がAenovaとHPWの双方のManaging Director(マネジングディレクター)を務めている。