ヤマダホールディングス(9831)は4〜9月期の業績予想4項目をすべて引き上げたが、その上げ幅は項目によって大きく異なる。営業利益予想は5月8日公表の前回予想比4.0%増の286億円、親会社株主に帰属する中間純利益は同38.7%増の215億円を見込む。純利益の上方修正幅が営業利益を大きく上回る理由は、同社の説明から読み取れる。
修正の内容
今回の業績予想修正で、ヤマダは中間期の売上高予想を従来の8620億円から2.1%増の8800億円に引き上げた。経常利益は284億円から5.6%増の300億円、1株当たり中間純利益は従来の23円32銭から32円34銭を見込む。
| 項目 | 5月公表予想 | 修正予想 | 増減率 | 前年中間期実績 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 862.0 | 880.0 | +2.1% | 800.1 |
| 営業利益 | 27.5 | 28.6 | +4.0% | 21.7 |
| 経常利益 | 28.4 | 30.0 | +5.6% | 24.0 |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 15.5 | 21.5 | +38.7% | 12.8 |
| 1株当たり中間純利益(円) | 23.32 | 32.34 | ― | 18.73 |
これらの数値は9月30日までの6カ月間に関する修正予想であり、確定した実績ではない。同社の開示資料には、予想数値は発表日現在で入手可能な情報に基づくものであり、実際の業績は大きく異なる可能性があるとの定例の注意書きが付されている。
上方修正の要因
ヤマダは売上高と営業利益の上方修正について、エアコン需要の急増とそれに伴う来店客数の増加を要因に挙げている。同社はこの需要を、省エネ基準の引き上げに伴う「エアコン2027年問題」によるものとしている。また、テレビや洗濯機などの大型家電の販売も堅調に推移したほか、「くらしまるごと」戦略に基づく構造改革の成果が定着してきたと説明している。ただ、開示資料には各要因の寄与度の内訳は示されていない。
小売企業として見ると、営業利益の上方修正率は4.0%にとどまり、需要に関するヤマダ自身の説明を前提としている点がポイントとなる。過去のTokyo Briefの記事はこちら:過去のTokyo Briefの記事。
純利益の押し上げは資産売却が主因
純利益の大幅な上方修正は別の要因によるものだ。ヤマダによると、資産効率の最大化に向けた資産売却プロジェクトが順調に進捗しており、一部の非事業用資産の売却が先行して進んだことが、親会社株主に帰属する中間純利益の大幅な伸びにつながったという。開示資料には売却益の規模や売却対象となった資産が明記されていないため、公表数値から小売事業の実績と一時的な売却効果を分けて把握することはできない。
なお、参考値として示された前年同期実績は、売上高が8001億円、営業利益が217億円、純利益が128億円だった。
通期予想は後日公表
今回の開示で修正されたのは中間期の業績予想のみだ。ヤマダによると、通期の連結業績予想は現在精査中で、2026年11月6日に開示予定の第2四半期(中間期)決算短信で公表するとしている。
