本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。

記事

ソフトバンクグループ、1兆円債の条件決定 大半の資金は既に使途確定

ソフトバンクグループが1兆円・7年債(年利4.75%)の条件を決定。調達額9885億円のうち約半分は今月と来春期限の債券の借換えに充てられ、残りはABBロボティクス事業買収への条件付き資金で、買収が遅れればブリッジローン返済に回る

2026年9月4日2分で読めるソフトバンクグループ9984
円建て債の調達資金が2つの流れに分かれる様子を示すエディトリアルイラストで、一方は債券償還手続きへ、もう一方はロボットアームへと向かい、ソフトバンクグループの資金配分を表している。

ソフトバンクグループ(9984)は、第70回無担保債の発行条件を決定した。個人投資家を主な対象に、年利4.75%、7年債で総額1兆円を発行し、償還期日は2033年9月16日。募集期間は2026年9月7日から16日まで、払込期日は9月17日。日本格付研究所(JCR)は2026年9月4日付で同債にA格を付与した。

調達資金の使途は大半すでに決まっている。発行費用を差し引いた差引金額は9885億円で、ソフトバンクはこのうち4000億円を、新発債の払込日と同じ2026年9月17日に償還期限を迎える国内債の償還に充てる方針を示している。加えて2027年4月23日期限の債券にも300億円を充当する。この借換え処理だけで、調達額のほぼ半分が新たな用途に回る前に消える計算になる。

残額は子会社への出資・融資という形で、ソフトバンクが2026年12月までの完了を目指すABBのロボティクス事業買収の資金の一部に充てられる予定だ。発行関連の開示にはヘッジ策も盛り込まれており、買収完了が予定から大きく遅れたり、必要資金額が縮小した場合には、残る調達資金を2027年3月期限のブリッジローンの返済に振り替えるとしている。つまり、同社はこの債券のうちどれだけが実際にロボット事業に使われるのか、まだ確定していない。

ソフトバンクグループ第70回債:発行条件と資金使途
数値はソフトバンクグループの発行登録追補書類およびTDnet開示の発行条件通知(いずれも2026年9月4日付)による。
項目金額詳細
発行額¥1tn第70回無担保債、年利4.75%、償還期日2033年9月16日
差引金額¥988.5bn発行費用(約115億円)を差し引いた後
2026年9月17日期限の償還¥400bn満期を迎える国内債の借換えに使用
2027年4月23日期限の償還¥30bn満期を迎える国内債の借換えに使用
残余資金9885億円のうちの残額ABBロボティクス事業買収(2026年12月までの完了を目標)の資金の一部に充当。完了が遅れる、または資金需要が縮小した場合は2027年3月期限のブリッジローン返済に振り替え

今回の販売体制は、ソフトバンクがおなじみとする個人向け販売手法を反映したものだ。野村証券が2400億円の引受枠を担い、11社からなる引受シンジケートを主導。大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のほか、6社の中小証券会社が参加し、主に個人投資家を対象に募集された。同債には「福岡ソフトバンクホークス債」という愛称が付けられ、募集期間中に申し込んだ人全員に、2027年2月下旬発送予定のノベルティトートバッグが提供される。

同債は無担保・無保証だが、純資産維持に関する特約が付されており、ソフトバンクは債券が存続する限り、各事業年度末時点の純資産の部を3698億円以上に維持しなければならない。今回の発行は2026年7月に提出した発行登録の枠を利用したもので、7月下旬に発行した900億円の既発分を経て、今回の発行前には1兆5000億円の発行登録枠のうち1兆4100億円が残っていた。払込期日は2026年9月17日で、資金の一部を充てるABBの買収完了は2026年12月を目標としているものの、まだ確定していない。