伊藤園の7月までの四半期営業利益は22%増の102億円だったが、同社は通期見通しを3カ月前のまま変えなかった。好調な第1四半期と据え置かれた通期計画とのギャップこそが今回の焦点だ。
連結売上高は2026年7月までの3カ月間で3.3%増の1351億8000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は14.8%増の65億6000万円だった。経営陣は、国内外での価格改定の実施、販促費の抑制、そして前年の自動販売機の評価減後の減価償却費の減少を要因として挙げた。
| 指標 | 第1四半期(2026年5~7月) | 第1四半期 前年同期比 | 通期計画 | 計画 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥135.18bn | +3.3% | ¥500bn | +0.4% |
| 営業利益 | ¥10.2bn | +22.0% | ¥20bn | -7.8% |
| 純利益(親会社株主帰属) | ¥6.56bn | +14.8% | ¥11.43bn | +229.7% |
しかし伊藤園は、2026年6月1日発表時点の通期見通しを一切変えなかった。売上高は0.4%増の5000億円、営業利益は7.8%減益予想の200億円、純利益は前年の低い水準からの反動で229.7%増の114億3000万円という計画のままだ。200億円という通期営業利益目標に対し、第1四半期だけで既に102億円を達成しながら見通しが手つかずのままとなったことで、残る9カ月の内訳は不明なままだ。
成長の実態はどこにあったか
中核となる親会社は縮小した。伊藤園の単独(非連結)売上高は6.4%減の873億5000万円だったが、単独営業利益は利益率の改善により13.9%増の65億5000万円となった。連結業績の押し上げは主にグループ会社によるものだ。タリーズコーヒーや茶葉関連子会社を含む国内グループ事業は売上高61.6%増の500億円、営業利益52.2%増の21億7000万円。海外グループ事業は売上高29.3%増の216億円、利益30.7%増の13億4000万円だった。
報告セグメント別では、「お~いお茶」などのボトル茶を含むリーフドリンク事業の売上高は1206億3000万円(2.7%増)、利益は89億9000万円(23.5%増)となり、自動販売機の減価償却費負担の軽減や、2026年5月にグループの自動販売機事業を新設組織「ITO EN Neos」に統合したことが寄与した。タリーズコーヒーを含む外食(フードサービス)事業は売上高8.4%増の124億1000万円、利益9.3%増の9億9100万円だった。タリーズコーヒー自体は7月末時点で店舗数855店となり、前期末から5店増加した。
気になる点
需要は一様に強かったわけではない。5月の高温で麦茶の販売が伸びた一方、6月と7月は梅雨や朝晩の気温低下、そして価格改定そのものが喉の渇きによる需要を押し下げた。同社の四半期販売数量データによれば、麦茶は10%増加したが緑茶は9%減少した。原材料費や包装費の上昇も、同社によれば業績改善を圧迫した。
総資産は3701億9000万円に増加し、自己資本比率は51.4%から48.7%に低下した。この間、短期借入金は60億円から143億円に急増し、買掛金は487億7000万円に増加した。伊藤園は、四半期の22%増益がなぜ通期計画にまだ反映されていないかについて、新たなコメントを示さなかった。
