シマノ(7309)は27日、2026年12月期の通期業績予想を上方修正した。ただ、第3四半期決算で最も際立つ1〜9月期純利益の148.5%増という数字は、需要の強さよりも前年同期の低迷による反動増の側面が大きい。自転車部品・釣具メーカーの同社は、通期営業利益予想を従来の470億円から前期比5.1%増の543億円に引き上げた。
業績予想修正の背景
シマノの決算短信によると、売上高と営業利益の修正は、欧州や中国などで市場在庫調整が進展し需要が増加していることと、主にアジア通貨安などの為替影響に伴い利益が改善したことの2点を反映した。売上高予想は従来の4910億円から4955億円への小幅な引き上げにとどまる一方、営業利益予想は従来予想比15.5%増と上げ幅が大きい。
経常利益予想は623億円、純利益予想は470億円へそれぞれ引き上げた。第3四半期に為替評価損などの営業外費用が増加したことを踏まえたとしている。
| 項目 | 前回予想 | 修正予想 | 2025年実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4910億円 | 4955億円 | 4662億円 |
| 営業利益 | 470億円 | 543億円 | 517億円 |
| 経常利益 | 560億円 | 623億円 | 470億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 430億円 | 470億円 | 340億円 |
1〜9月期は本業改善に加え前年同期の低迷が寄与
1〜9月期の売上高は3752億円(前年同期比6.9%増)、営業利益は445億円(同21.8%増)だった。経常利益は同71.5%増の519億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期の161億円から400億円に拡大した。
比較対象となる前年同期の業績は低調だった。2025年1〜9月期は経常利益が48.1%減、純利益が61.0%減と落ち込んでいた。為替差損は前年同期の184億円から今期は17億円に縮小した一方、受取利息は129億円から95億円に減少した。また、今期の純利益には上場株式2銘柄の売却益31億円と工場建替関連費用11億円が含まれている。事業の実態をより正確に映しているのは21.8%増となった営業利益だ。
自転車部品は底堅く、釣具がけん引
主力セグメントである自転車部品の売上高は2784億円(前年同期比4.6%増)、営業利益は334億円(同10.9%増)だった。同社によると、完成車の店頭販売は総じて底堅く推移し、市場在庫の調整が進展した。欧州は堅調で、主要市場のドイツで在庫改善が進んだ。北米は関税の影響による完成車価格の高止まりから引き続き低調だったが、市場在庫は適正水準を維持した。中国ではやや高めだった在庫の消化が進んだものの、ロードバイクの需要は低調な状態が続いた。日本の店頭販売は弱含みだった。
釣具事業はより高い伸びを示し、売上高は966億円(前年同期比14.4%増)、営業利益は111億円(同72.9%増)だった。北米や豪州での販売が堅調だったほか、日本でも天候不順や猛暑の影響を受けつつ販売に持ち直しの動きがみられたとしている。欧州の市場在庫はやや高めの水準で推移した。
株式数と配当
同社は2月12日から9月30日までの間に自己株式236万8900株を取得し、自己株式は414億円増加した。期中平均株式数は前年同期の8790万株に対し8530万株、1株当たり四半期純利益は同183円16銭に対し469円12銭だった。通期の年間配当予想は363円00銭で据え置いた。
同社の業績予想は現時点で入手可能な情報および不確定要因に対する仮定を前提としており、実際の業績は異なる結果となる場合があるとしている。同報告書は監査法人によるレビューを受けていない。
