東証上場のデジタルマーケティング企業、セプテーニ・ホールディングス(4293)は2026年9月24日、東京証券取引所に対し、新宿区の人材採用支援・Webマーケティング企業である株式会社メディアハウスホールディングスの発行済株式954,900株全てを総額108億4000万円で取得する計画を取締役会で承認したと開示した。価格の内訳は株式取得額が107億8000万円、アドバイザリー費用等が約5700万円。同社は現在メディアハウスホールディングス株式を保有しておらず、取得後は全株式を保有する計画だ。
100%の取得が当初から確定しているわけではない。メディアハウスホールディングス株式の24.7%を保有する株式会社HKと、同社の代表取締役を務めるとともにメディアハウスホールディングスの代表取締役社長兼CEOでもある個人(自身の名義でさらに16.5%を保有)の2者で、対象会社の議決権の43.1%を握る。開示された条件によれば、両者は株式譲渡実行日までに、従業員持株会が保有する20.7%を含む残りの株式を集約する努力義務を負う。集約が完全に終わらなくても、売却側が発行済株式の3分の2以上を集めていれば取引は成立し、セプテーニ・ホールディングスは残る株主を対象にスクイーズアウトを行い完全子会社化を図る計画だ。株式譲渡契約は取締役会決議と同日の締結を予定しており、実行は2026年11月4日を目指す。
1983年設立のメディアハウスホールディングスは、人材採用支援事業とWebマーケティング事業を展開し、顧客基盤は中小企業向けが中心で、求人アグリゲーションメディアで高い外部評価を得てきた。業績は拡大が続いており、売上高は決算期変更に伴う変則決算となった2023年12月期の9カ月間で82億2000万円だったのが、2024年12月期には113億8000万円、2025年12月期には145億円となり、営業利益も同期間で5億3000万円から6億4800万円に伸びた。一方、純利益は前期の3億9900万円から最新期には20億2000万円へと大きく跳ね上がっており、開示資料はその差の理由を説明していない。1株当たり配当金も同様に、100円から500円へ増えた。
| 項目 | 2023年12月期(9カ月) | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥8.22bn | ¥11.38bn | ¥14.50bn |
| 営業利益 | ¥530mn | ¥577mn | ¥648mn |
| 純利益 | ¥388mn | ¥399mn | ¥2.02bn |
| 1株当たり配当金 | ¥60 | ¥100 | ¥500 |
セプテーニ・ホールディングスは、国内の運用型求人広告市場が年率約20%で成長し、2030年ごろには国内求人広告市場の過半を占めるようになるとの見通しを、買収の根拠として挙げている。同社はこの成長を、採用需要を押し上げる構造的な労働力不足に結び付けている。1990年に人材採用コンサルティング事業として創業し、現在のデジタル広告事業を築いてきた同社は、今回の買収を2028年までの中期経営計画に掲げるHRマーケティング事業の第一歩と位置付けている。
セプテーニは、今回の取引が2026年12月期の自社業績に与える影響は軽微だとしている。翌期については見通しをまだ示しておらず、現在精査中で、2027年2月に発表予定の通期決算と合わせて公表するとしている。
