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政策ウォッチ

政府、幹細胞由来の精子・卵子巡る再生医療法対象見直しで意見公募

厚生労働省の政令案は、人の精子・卵子・受精胚を再生医療等安全性確保法の対象外とする一方、これらから樹立した幹細胞株を対象に含める内容で、12月5日まで意見を募っている

執筆:Tokyo Brief Desk2026年11月9日2分で読める
培養皿とピペットの横に、規制の境界を示唆する括弧で区切られた細胞系譜の分岐図。

厚生労働省は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)の対象となる「再生医療等技術」の範囲を見直す政令案について、パブリックコメント(意見公募)を開始した。政令案は、人の精子や未受精卵、両者の受精により生じる胚を同法の適用範囲から除外する一方、これらから樹立された幹細胞株を適用対象に含める。

改正案の内容

厚労省医政局研究開発政策課が「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(2013年法律第85号)」施行令の改正案を作成した。同法は再生医療等を提供しようとする者が講ずべき措置を定めており、施行令はその適用対象となる技術の範囲を規定している。

政令案では、以下のものを同法の適用範囲から除外する。

  • 人の精子または未受精卵。
  • 人の精子と未受精卵との受精により生ずる胚。

一方、以下のものを適用範囲に含める。

  • 人から採取された、または人の体細胞から作製された人の精子および未受精卵から樹立された胚性幹細胞(ES細胞)。
  • 上記の胚性幹細胞から作製された精子および卵子から樹立された胚性幹細胞。
  • こうした幹細胞から作製された体細胞、ならびに当該体細胞から樹立された人工多能性幹細胞(iPS細胞)、組織幹細胞、およびこれらからさらに作製された体細胞。

改正の理由

厚労省は今回の見直しについて、総合科学技術・イノベーション会議の生命倫理専門調査会が2025年8月26日にとりまとめた、ヒトの幹細胞から作成されるヒト生殖細胞を用いるヒト胚の作成に関する報告書を受けたものとしている。同報告書は、幹細胞由来生殖細胞の受精を一定の条件の下で許容すべきだとの方針を示しており、厚労省はこれを踏まえて再生医療等技術の範囲を改める必要があるとしている。

今後のスケジュール

厚労省は2027年3月下旬に政令を公布し、同年7月24日に施行する予定だ。施行日は、公布日から1年後に施行される「ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律(2026年法律第70号)」の施行日に合わせた。同法の施行に合わせ、一定の条件の下での幹細胞由来生殖細胞の受精に関する告示の見直しも行うとしている。公開された概要には、その具体的な条件は記されていない。

意見の提出方法

意見募集期間は2026年11月6日から12月5日まで。意見は日本語で理由を付記し、電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォーム、厚労省への電子メール、または霞が関の同省担当課への郵送で提出する。個別の回答は行わず、提出された意見は連絡先を除いて公表される場合がある。